第4期 第8話 未来を描くキャンバス
年末が近づき、街はイルミネーションに彩られていた。
「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」は、今年最後の開催を迎えようとしていた。
会場は横浜のライブハウス。
一年間の締めくくりとして、多くの出演者が集まっている。
「もう今年最後なんだね。」
アヤネがスケジュール表を見ながらつぶやく。
「一年って早いなあ。」
ミユキも頷いた。
「ツアーに行って、フェスに出て、また全国を回って……。」
「本当に濃い一年だった。」
マアヤが笑顔を見せる。
イノリは静かに会場を見渡した。
「でも、まだ終わりじゃない。」
その一言に、四人が頷いた。
◇
ユウキは会場に到着すると、スタッフから一冊のアルバムを渡された。
「社長、これまでのイベント写真をまとめました。」
ページをめくる。
初回のライブハウス。
全国各地のステージ。
出演者たちの笑顔。
Luminous Fiveのライブ。
新人アーティストとの集合写真。
どのページにも、挑戦する人たちの表情が写っていた。
「ここまで来たんだな……。」
ユウキは静かに微笑んだ。
◇
リハーサル終了後。
出演者全員で簡単な交流会が開かれた。
その中で、一人の大学生バンドのボーカルが質問する。
「Luminous Fiveの皆さんは、落ち込んだとき、どうやって気持ちを切り替えていますか?」
アヤネは少し考えてから答えた。
「一人で抱え込まないことかな。」
「私たちは五人だから、誰かが落ち込んでも、誰かが支えてくれる。」
マアヤも続ける。
「ライブで失敗しても、『次はもっと良くしよう』って話し合うようにしてる。」
最後にイノリが穏やかに話した。
「完璧じゃなくてもいいと思っています。」
会場が静かになる。
「続けることのほうが、ずっと大切だから。」
その言葉に、多くの出演者が頷いていた。
◇
夜。
イベントは大盛況のまま終了した。
Luminous Fiveのライブでは、一年間の感謝を込めたセットリストが披露される。
最後の曲が終わると、客席から大きな拍手が送られた。
「ありがとうございました!」
五人は深く頭を下げる。
◇
終演後。
出演者全員がステージへ集まり、一人ずつ今年の目標と来年の夢を語る時間が設けられた。
「もっとライブを増やしたい!」
「オリジナル曲を作ります!」
「全国ツアーが夢です!」
若いアーティストたちが次々と未来を語る。
最後にイノリがマイクを受け取る。
「去年の私たちも、この場所で夢を語っていました。」
静かな拍手が起こる。
「夢は、叶ったら終わりではありません。」
「叶えた先に、また新しい夢が待っています。」
「だから、これからも一緒に歩いていきましょう。」
会場は温かな拍手に包まれた。
◇
イベント終了後。
ユウキとイノリは、みなとみらいの夜景を眺めながら歩いていた。
観覧車の灯りがゆっくりと回る。
「今年はいろいろありましたね。」
イノリが静かに笑う。
「本当に。」
ユウキも夜景を見つめる。
「会社を始めた頃は、こんな景色を見る日が来るなんて思っていなかった。」
「私も。」
イノリは頷く。
「ライブハウスだけで活動していた頃は、大型フェスも全国ツアーも想像できませんでした。」
しばらく二人は黙って歩く。
冷たい冬の風が頬をなでる。
「来年は、どんな景色が待っているんでしょうね。」
イノリが空を見上げる。
「きっと、また新しい景色だよ。」
ユウキは穏やかに答えた。
「そして、その景色の中にも、新しく夢を追いかける人たちがいる。」
夜景の向こうには、無数の光が輝いていた。
一つひとつの光が、それぞれの夢のように見える。
その光を未来へつないでいくために。
ユウキとLuminous Fiveは、また新しい一年へ向かって歩き始めるのだった。




