第4期 第5話 夢を語る夜
「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」が始まって三か月。
全国各地のライブハウスを巡る日々は続いていた。
この日の開催地は福岡。
会場には開場前から多くの観客が集まり、新人アーティストたちも緊張した面持ちで準備を進めていた。
「今日は五組出演なんですね。」
アヤネがタイムテーブルを見ながら言う。
「今までで一番多いかも。」
ミユキが目を輝かせる。
「いろんな音楽が聴けるの、楽しみ。」
イノリも静かに頷いた。
「それぞれの個性を感じられそうだね。」
◇
リハーサルが終わると、ユウキは出演者全員を集めて簡単なミーティングを開いた。
「今日はありがとうございます。」
静かな声で話し始める。
「上手く演奏することも大切ですが、それ以上に、自分たちらしい音楽を届けてください。」
出演者たちは真剣な表情で耳を傾けていた。
「今日ここでの経験が、皆さんの次の一歩につながることを願っています。」
自然と拍手が起こる。
張り詰めていた空気が、少しだけ柔らかくなった。
◇
イベントは予定どおり進み、新人アーティストたちが次々とステージへ立っていく。
演奏が終わるたびに、客席から温かな拍手が送られた。
舞台袖で見守るLuminous Fiveの五人も、一組ごとに拍手を送る。
「みんな一生懸命だね。」
アグリが穏やかに微笑む。
「技術だけじゃなくて、気持ちが伝わってくる。」
マアヤも頷いた。
「私たちも最初はこうだったな。」
◇
イベント終了後。
出演者同士の交流会が開かれた。
円卓を囲み、それぞれが活動について語り合う。
「将来は全国ツアーをしたいです。」
高校生バンドのボーカルが言う。
「私はオリジナルアルバムを作るのが夢です。」
シンガーソングライターの女性が続ける。
やがて話題はLuminous Fiveへ向けられた。
「皆さんの今の目標は何ですか?」
質問を受け、アヤネは少し考えてから答えた。
「もっと多くの人に私たちの音楽を届けることです。」
マアヤが続ける。
「曲作りももっと挑戦したい。」
アグリは静かに微笑む。
「長く愛されるバンドになれたら嬉しいです。」
ミユキは笑顔で言った。
「十年後も五人で笑ってステージに立っていたい!」
最後にイノリが口を開く。
「私たちも、たくさんの人に支えられてここまで来ました。」
会場が静かになる。
「だから今度は、誰かが夢を諦めそうになったとき、『続けてみよう』と思えるような存在になりたいです。」
その言葉に、大きな拍手が送られた。
◇
交流会が終わり、ホテルへ戻る途中。
ユウキとイノリは川沿いの遊歩道を歩いていた。
街の灯りが水面に映り、穏やかな風が吹いている。
「今日はいろいろ考えさせられました。」
イノリが静かに話し始める。
「夢って、叶えることだけじゃないんですね。」
「どういうこと?」
「夢を持ち続けることも、大切なんだと思いました。」
ユウキは穏やかに笑う。
「目標は変わっても、前へ進もうとする気持ちは変わらない。」
「はい。」
イノリはゆっくり頷いた。
「私も、これから先もずっと音楽を続けたいです。」
二人は足を止め、夜空を見上げる。
無数の星が静かに輝いていた。
夢を語る人がいる。
その夢を応援する人がいる。
そして、その想いはまた次の誰かへ受け継がれていく。
ユウキとLuminous Fiveは、その輪を少しずつ広げながら、新しい未来へ向かって歩み続けるのだった。




