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第4期 第4話 未来へつなぐステージ

挿絵(By みてみん)


「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」が始まって二か月。


各地のライブハウスを巡る中で、少しずつ変化が現れていた。


「社長、この前出演したバンドから連絡です。」


会社で資料を整理していたユウキに、スタッフが声をかける。


「出演後にライブの動員が増えたそうです。」


「本当?」


「『イベントをきっかけに知ってもらえました』と。」


ユウキは報告書を読みながら静かに微笑んだ。


「それなら、この企画を始めた意味があったね。」



週末。


会場は大阪市内のライブハウス。


今日も三組の新人アーティストと、ゲストのLuminous Fiveが出演する。


リハーサルの合間、新人たちは緊張した様子で機材を準備していた。


「大丈夫かな……。」


ボーカルの少女が小さくつぶやく。


アヤネはその様子に気付き、笑顔で声をかける。


「私たちも最初はすごく緊張してたよ。」


「そうなんですか?」


「もちろん。」


ミユキも笑う。


「MCで言葉が飛んじゃったこともあるくらい。」


その一言で、その場に笑いが広がった。


張り詰めていた空気が少し和らぐ。



一方、イノリはステージ袖でベースを調整していた。


そこへ、一人の高校生ベーシストがやって来る。


「すみません。」


「はい?」


「いつもライブ動画を見ています。」


照れくさそうに頭を下げる。


「今日、同じステージに立てるなんて夢みたいです。」


イノリは優しく微笑んだ。


「ありがとう。」


「でも今日は、私たちじゃなくて、自分たちの音を届ける日だよ。」


高校生は少し驚いたような表情を見せる。


「私たちの音……。」


「比べなくていい。」


イノリは穏やかに続けた。


「あなたたちにしか出せない音があるから。」


その言葉に、高校生は力強く頷いた。


「はい!」



イベントが始まる。


新人バンドの演奏。


会場から送られる温かい拍手。


ステージを降りた彼らの安堵した表情。


そのすべてを、ユウキは客席から見守っていた。


「挑戦する場所があるって、大切なんだな。」


あの日、自分が始めたイベント。


今では多くの若いアーティストの一歩を支える場所になっている。



Luminous Fiveのライブ。


「こんばんは!」


アヤネの元気な声が響く。


客席は一気に盛り上がった。


代表曲。


オリジナル曲。


そして、ツアーで育ててきた新曲。


ライブハウスいっぱいに音楽が広がる。


最後の曲が終わると、会場中から大きな拍手が送られた。



終演後。


出演した高校生バンドが楽屋へやって来た。


「今日はありがとうございました!」


全員が深く頭を下げる。


「すごく勉強になりました。」


イノリは笑顔で答えた。


「私たちも、皆さんの演奏から刺激をもらいました。」


「本当ですか?」


「もちろん。」


アヤネも頷く。


「音楽は、お互いに学び合えるから楽しいんだと思う。」


高校生たちの表情が明るくなる。



帰り道。


ユウキとイノリは夜の商店街を歩いていた。


「今日、あの高校生の子が言ってくれたんです。」


イノリが静かに話し始める。


「『自分たちの音を信じます』って。」


ユウキは穏やかに笑う。


「ちゃんと届いていたんだね。」


「少しだけ、自信が持てました。」


イノリは夜空を見上げた。


「私たちが歩いてきた道にも、意味があったんだって。」


商店街を抜けると、街の灯りが二人を照らす。


受け取った夢を、次の世代へ。


その想いは、新しいライブハウス、新しい街、そして新しい音楽へと受け継がれていく。


そんな確かな手応えを胸に、ユウキたちはまた次の会場へ向かうのだった。


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