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第4期 第2話 はじまりのライブハウス

挿絵(By みてみん)


「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」


プロジェクト始動の日。


ユウキは、最初の開催地として一軒のライブハウスを選んでいた。


それは、Luminous Fiveと初めて出会った場所だった。


「ここから始めるんですね。」


イノリが入口を見上げる。


「うん。」


ユウキは懐かしそうに微笑んだ。


「あの日、みんなの演奏を初めて聴いた場所だから。」


アヤネも建物を見つめる。


「私たちにとっても特別な場所です。」


「初心に戻れる気がする。」


マアヤが静かに言った。



ライブハウスのオーナーが笑顔で迎えてくれた。


「久しぶりですね。」


「ご無沙汰しています。」


ユウキは握手を交わす。


「今日はよろしくお願いします。」


オーナーは五人を見渡し、嬉しそうに笑った。


「最初に出演した頃は、お客さんが十数人だったよね。」


「そうでしたね。」


ミユキが照れ笑いを浮かべる。


「今ではフェスにも出るようになって……。」


「成長したなあ。」


その言葉に、五人は少し照れくさそうな表情を見せた。



この日の出演者は三組。


Luminous Fiveはトリを務めるが、それまでは客席から新人バンドの演奏を見ることになっていた。


一組目は高校生バンド。


緊張からか、演奏中に少しテンポが乱れる場面もあった。


それでも最後まで演奏をやり切ると、客席から温かい拍手が送られる。


「頑張ってましたね。」


アグリが小さく拍手を送る。


「初めてのステージだったのかな。」


イノリも静かに頷いた。


「少し前の私たちを見ているみたいでした。」



二組目の演奏が終わると、控室で高校生バンドのメンバーと顔を合わせた。


「あ、Luminous Fiveの皆さん……!」


緊張した様子で頭を下げる。


アヤネは笑顔で声をかけた。


「ライブ、お疲れさま。」


「ありがとうございます!」


ギター担当の少年が言う。


「実は、フェスで皆さんを見てバンドを始めたんです。」


五人は顔を見合わせた。


「私たちを?」


マアヤが驚く。


「はい。あの日の演奏を見て、『自分もステージに立ちたい』って思いました。」


イノリは少し言葉を失った。


やがて、優しく微笑む。


「ありがとう。」


「その言葉、本当に嬉しいです。」



いよいよLuminous Fiveの出番。


照明が落ち、歓声が響く。


「こんばんは!」


アヤネの第一声に、ライブハウス全体が盛り上がる。


大きなホールではない。


客席との距離も近い。


それでも――いや、だからこそ伝わる熱があった。


演奏を終えると、大きな拍手が響く。


最後のMCでアヤネがマイクを握った。


「私たちも、このライブハウスから始まりました。」


客席が静かになる。


「夢は、最初から大きくなくてもいいと思います。」


イノリが続ける。


「今日ここで演奏した皆さんも、客席で音楽を聴いている皆さんも、それぞれの一歩を大切にしてください。」


温かな拍手が広がった。



ライブ終了後。


帰り道、ユウキとイノリは並んで歩いていた。


「今日は、特別な一日でした。」


イノリが穏やかに言う。


「自分たちが誰かのきっかけになれたって知って……少し信じられない気持ちです。」


「でも、それは紛れもない事実だよ。」


ユウキは笑顔で答えた。


「みんなが積み重ねてきた時間が、新しい夢を生み出した。」


イノリはゆっくり頷く。


「これからも、この場所を大切にしたいです。」


ライブハウスの灯りが、夜の街に優しく輝いていた。


夢は受け継がれていく。


誰かに憧れ、誰かの背中を追いかけ、そしていつか、自分が誰かの希望になる。


そんな新しい物語が、「NEXT RISE FESTIVAL EXTRA」とともに始まろうとしていた。


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