第4期 第1話 新たな約束
大型音楽フェスから、一か月。
Luminous Fiveの五人は、以前にも増して忙しい毎日を送っていた。
ライブ出演。
ラジオ番組。
雑誌の取材。
初めて経験する仕事が少しずつ増えていく。
「今日は雑誌の撮影か。」
アヤネがスケジュール帳を見ながら笑う。
「ライブ以外のお仕事も増えてきたね。」
ミユキが嬉しそうに頷く。
「最初は緊張したけど、少し慣れてきたかも。」
マアヤはギターケースを肩に掛けながら言った。
「でも、一番好きなのはやっぱりライブ。」
「私も。」
イノリが穏やかに微笑む。
「ステージで演奏している時間が、一番私たちらしい気がする。」
◇
その頃、ユウキの会社では大きな会議が開かれていた。
「社長、新しい企画書が完成しました。」
スタッフが一冊の資料をテーブルへ置く。
表紙には、大きくこう書かれている。
**NEXT RISE FESTIVAL EXTRA**
「EXTRA?」
ユウキは資料を開く。
「今回はフェスだけじゃない。」
スタッフが説明を始めた。
「全国のライブハウスと提携して、一年を通して若手アーティストを紹介するプロジェクトです。」
ユウキは静かに頷いた。
「一日限りのイベントじゃなく、継続して挑戦できる場所を作る。」
それは以前から考えていた夢だった。
「これなら、もっと多くの人にチャンスを届けられる。」
◇
数日後。
Luminous Fiveの五人がユウキの会社を訪れた。
「こんにちは!」
アヤネが元気よく挨拶する。
「今日は相談があるって聞きました。」
「うん。」
ユウキはプロジェクトの資料を広げた。
「新しい企画を始めようと思っている。」
五人は真剣な表情で説明を聞く。
「ライブハウスを回りながら、新人アーティストを紹介するんですか?」
アグリが興味深そうに尋ねる。
「そう。」
ユウキは頷く。
「みんなにも、ゲストとして出演してほしい。」
「私たちが?」
ミユキが驚く。
「大型フェスへ出演した経験を、次の世代へ伝えてほしい。」
部屋が静かになる。
イノリは資料を見つめながら、小さく微笑んだ。
「私たちも、たくさんの人に支えられてここまで来ました。」
「今度は、私たちが誰かの背中を押せるなら。」
アヤネが力強く頷く。
「ぜひ参加したいです!」
「私も!」
「もちろん!」
五人全員の返事が重なった。
◇
打ち合わせを終えたあと。
ユウキとイノリは会社近くの川沿いを歩いていた。
春の風が水面を揺らしている。
「少し前までは、自分たちのことで精いっぱいでした。」
イノリが静かに話し始める。
「でも今は、誰かの夢も応援したいと思えるようになりました。」
「みんなが歩いてきた道が、きっと誰かの希望になる。」
ユウキは穏やかに答えた。
「ライブハウスから始まった物語だからこそ、伝えられることがある。」
イノリは空を見上げる。
「初心を忘れないようにしたいですね。」
「うん。」
ユウキも笑顔で頷いた。
「夢が大きくなっても、最初の一歩は変わらない。」
夕暮れの川沿いを、二人はゆっくり歩いていく。
新しいプロジェクト。
新しい出会い。
そして、新しい夢。
第四章は、自分たちが受け取った希望を、次の世代へつないでいく物語として静かに幕を開けた。




