表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
38/65

第3期 第12話 前夜

挿絵(By みてみん)


大型音楽フェス前日。


早朝からLuminous Fiveの五人は、フェス会場へ向かっていた。


会場は郊外にある大規模な野外ステージ。


何万人もの観客を迎えるため、スタッフが慌ただしく準備を進めている。


「大きい……。」


アグリが思わず足を止めた。


ステージの高さ。


巨大なスクリーン。


客席の広さ。


どれも今まで経験したことのない規模だった。


「ここで演奏するんだね。」


ミユキが小さくつぶやく。


「まだ実感が湧かない。」


イノリは静かに客席を見渡した。


誰もいない客席。


しかし明日には、そこがたくさんの人で埋め尽くされる。


「緊張する?」


アヤネが尋ねる。


イノリは少し考えてから笑った。


「少しだけ。」


「でも楽しみのほうが大きい。」



リハーサルが始まる。


「Luminous Five、お願いします。」


スタッフの声が響く。


五人はステージへ上がった。


「よろしくお願いします!」


音響チェック。


モニターバランス。


立ち位置の確認。


大型フェスならではの細かな確認が続く。


「ベース、少し返してください。」


イノリが落ち着いて伝える。


「了解です。」


スタッフも素早く対応する。


演奏は一曲だけ。


短い時間だったが、五人にとっては十分だった。


ステージを降りると、全員が自然と笑顔になる。


「少し安心した。」


マアヤが胸をなで下ろす。


「明日が楽しみ。」


アグリも頷いた。



午後。


ユウキも会場入りした。


今回はフェス運営スタッフとの打ち合わせも兼ねている。


「ユウキさん!」


五人が手を振る。


「リハーサル、お疲れさま。」


「ありがとうございます。」


イノリは少し照れながら笑った。


「ステージに立った瞬間、鳥肌が立ちました。」


「その景色を、明日は満員のお客さんと一緒に見るんだ。」


ユウキの言葉に、五人の表情が引き締まる。



夕方。


ホテルへ戻る前、六人は会場近くの芝生広場で少し休憩を取った。


夕日がゆっくりと沈んでいく。


「ここまで来られたね。」


アヤネが静かに言う。


「ライブハウスから始まって。」


「全国ツアーもあって。」


ミユキが続ける。


「気が付いたら、こんな大きなステージ。」


マアヤは空を見上げる。


「夢みたい。」


イノリは静かに笑った。


「夢じゃないよ。」


「みんなで積み重ねてきた時間だから。」


その言葉に、四人は頷いた。



夜。


ホテルのロビー。


イノリは自動販売機で飲み物を買い、外のベンチへ座っていた。


そこへユウキがやって来る。


「眠れそう?」


「たぶん……少しだけ。」


二人は笑い合う。


「ユウキさん。」


「ん?」


「もし、明日うまく演奏できなかったらって考えてしまうんです。」


ユウキは静かに首を振った。


「ここまで来るまで、何回ライブをしてきた?」


「……数え切れません。」


「それだけ積み重ねてきた。」


ユウキは穏やかに続ける。


「明日は、その積み重ねを楽しめばいい。」


イノリはその言葉を聞いて、小さく深呼吸をした。


「ありがとうございます。」


「少し気持ちが楽になりました。」



部屋へ戻る前。


イノリは夜空を見上げる。


無数の星が静かに輝いていた。


明日。


Luminous Fiveは、これまでで最も大きな舞台へ立つ。


ライブハウスで始まった五人の物語は、新たな景色へ届こうとしている。


そして、その景色の先には、まだ見ぬ未来が待っているのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ