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第3期 第10話 届いた知らせ

挿絵(By みてみん)


大型音楽フェスの選考結果が届く日。


朝からLuminous Fiveの五人は落ち着かない様子だった。


スタジオには機材が並んでいるものの、誰も演奏を始めようとはしない。


「まだかな……。」


ミユキがスマートフォンを何度も確認する。


「時計ばっかり見ちゃう。」


マアヤも苦笑する。


アグリは温かい紅茶を飲みながら静かに言った。


「結果は変えられないから、待つしかないね。」


イノリも小さく頷く。


「うん。」


そう答えながらも、指先には少しだけ力が入っていた。



同じ頃。


ユウキは会社で午前の会議を終えていた。


机の上には一通のメール通知が表示されている。


送信元は――


**大型音楽フェス実行委員会。**


ユウキは深呼吸をしてメールを開いた。


画面を最後まで読み終えると、自然と笑みがこぼれる。


「……よかった。」


すぐにスマートフォンを手に取り、イノリへメッセージを送った。


**『今日の午後、みんなで時間を取れるかな。伝えたいことがあります。』**


数秒後。


**『はい。スタジオで待っています。』**



午後。


五人はスタジオに集まっていた。


「ユウキさん、何でしょう。」


アヤネが少し緊張した様子で尋ねる。


ユウキはゆっくりと封筒を取り出した。


「実行委員会から正式な連絡が来た。」


部屋の空気が張り詰める。


ユウキは五人の顔を見渡し、静かに言った。


「Luminous Five――」


一瞬の静寂。


「大型音楽フェスへの出演が決まりました。」


「……え?」


ミユキが目を丸くする。


「本当に?」


マアヤも信じられないという表情だった。


アグリは口元へ手を当て、小さく息をのむ。


イノリはしばらく言葉が出なかった。


やがて、小さく微笑む。


「決まったんですね……。」


アヤネの目には涙が浮かんでいた。


「ありがとうございます!」


五人は一斉に頭を下げる。


ユウキは首を横に振った。


「これは僕の力じゃない。」


「みんなが積み重ねてきた結果だよ。」



しばらくすると、喜びが少し落ち着き、自然と笑い声が戻ってきた。


「大型フェスなんて夢みたい!」


ミユキが飛び跳ねる。


「出演者も有名な方ばかりですよね。」


アグリが資料を見つめる。


「だからこそ勉強になる。」


マアヤが真剣な表情で言う。


イノリは出演者一覧を見ながら静かにつぶやいた。


「このステージで演奏できるんだ……。」



その日の夜。


六人は小さなレストランでささやかなお祝いをしていた。


「乾杯!」


グラスが軽く触れ合う。


「本当におめでとう。」


ユウキが笑顔で言う。


「ありがとうございます。」


アヤネが嬉しそうに頭を下げた。


「でも、ここからですね。」


イノリが静かに続ける。


「出演が決まっただけ。」


「当日、私たちらしい演奏を届けられるように頑張ります。」


ユウキは満足そうに頷いた。


「その気持ちなら大丈夫。」



帰り道。


夜風が心地よく吹く中、ユウキとイノリは並んで歩いていた。


「今日は、一生忘れられない日になりました。」


イノリは星空を見上げる。


「ライブハウスで演奏していた頃の私たちが聞いたら、きっと驚きます。」


「夢は、ちゃんと前へ進んでいたんだね。」


「はい。」


イノリは笑顔で頷いた。


「でも、まだ夢の途中です。」


その瞳には、新しいステージへの期待が輝いていた。


大型音楽フェスまで、あと一か月。


Luminous Fiveは、これまでで最も大きな舞台へ向けて、新たな準備を始めるのだった。


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