第3期 第8話 新しい知らせ
全国ツアーが終わって一週間。
Luminous Fiveのメンバーは、久しぶりに都内のスタジオへ集まっていた。
「なんだか久しぶりだね。」
ミユキが笑いながらドラムセットに座る。
「毎週一緒にいたのに、不思議。」
マアヤもギターケースを開けながら笑顔を見せた。
アグリは鍵盤に軽く触れ、音を確かめる。
「ツアーで覚えたことを忘れないうちに練習したいね。」
イノリもベースを肩に掛ける。
「ライブを重ねたから、音の合わせ方も少し変わった気がする。」
「じゃあ、始めよう!」
アヤネの掛け声で、五人は演奏を始めた。
◇
以前と同じ曲なのに、どこか違う。
息を合わせるタイミング。
視線を交わす瞬間。
自然と笑顔になる余裕。
全国を回った経験が、演奏そのものに表れていた。
一曲が終わる。
スタジオには静かな余韻が残る。
「……変わったね。」
アヤネが嬉しそうに言う。
「うん。」
イノリも微笑んだ。
「ライブを重ねた分だけ、みんなの音がよく分かるようになった。」
◇
その頃、ユウキは会社で次の企画を進めていた。
「社長。」
スタッフが一枚の封筒を差し出す。
「音楽フェスの実行委員会からです。」
ユウキは封を開ける。
そこには、
**『大型音楽フェスへの協力依頼』**
という文字が記されていた。
全国規模で開催されるイベント。
出演者はプロからインディーズまで幅広い。
「これは……。」
ユウキは資料を読み進める。
「新しい挑戦になりそうだ。」
◇
その日の夕方。
ユウキはLuminous Fiveのスタジオを訪れた。
「お疲れさま。」
「ユウキさん!」
五人が笑顔で迎える。
「ちょうど休憩中なんです。」
テーブルを囲み、お茶を飲みながら談笑する。
「ツアーが終わって少し寂しいですね。」
ミユキが言う。
「また行きたいな。」
「きっとまた行けるよ。」
ユウキは笑顔で答えた。
「そのためにも、一歩ずつ積み重ねていこう。」
「はい!」
◇
ユウキはバッグから一枚の資料を取り出した。
「実は、みんなに相談がある。」
五人が真剣な表情になる。
「全国規模の大型音楽フェスから協力の話をいただいたんだ。」
「えっ?」
アヤネが驚く。
「出演するんですか?」
「まだ決まってはいない。」
ユウキは首を横に振る。
「でも、Luminous Fiveを推薦したいと考えている。」
一瞬、スタジオが静まり返る。
「私たちを……?」
イノリが小さくつぶやく。
「もちろん、最終的に出演できるかは選考次第だ。」
ユウキは穏やかに続ける。
「でも、今のみんななら挑戦する価値はあると思う。」
五人は顔を見合わせた。
そしてアヤネが力強く頷く。
「挑戦したいです。」
「私も!」
「もちろん!」
「頑張ります!」
最後にイノリが静かに口を開いた。
「今まで積み重ねてきたものを信じて、挑戦したいです。」
◇
帰り道。
ユウキとイノリは並んで夜道を歩いていた。
「また新しい目標ができましたね。」
イノリは夜空を見上げる。
「うん。」
ユウキも星空を見上げる。
「夢って、一つ叶うと、また次の夢が見えてくる。」
「不思議ですね。」
イノリは微笑んだ。
「でも、そのほうが毎日が楽しみです。」
秋の夜風が静かに吹き抜ける。
全国ツアーを終えたLuminous Five。
その次に待つのは、さらに大きな舞台への挑戦だった。
新たな扉は、静かに開き始めていた。




