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第3期 第7話 ツアーファイナル

挿絵(By みてみん)


全国ツアー最終日。


最後の会場は、東京近郊にあるライブホールだった。


開場前。


入口には長い列ができている。


地方公演で初めて彼女たちを知った人。


以前から応援しているファン。


そして、今日のファイナルを楽しみに駆けつけた人たち。


さまざまな思いを胸に、多くの観客が開場を待っていた。



控室。


五人は本番衣装に着替え、静かに準備を進めていた。


「今日で最後なんだね。」


ミユキがぽつりとつぶやく。


「少し寂しいかも。」


マアヤも笑いながら答える。


「でも、最後だから思い切り楽しもう。」


アグリは楽譜を閉じる。


「このツアーで、本当にたくさんのことを学べたね。」


イノリはメンバー一人ひとりを見渡した。


「最初の頃より、みんな自信を持ってステージに立てるようになった。」


アヤネが円陣を組もうと手を差し出す。


「最高の締めくくりにしよう!」


五人の手が重なった。


「おー!」



一方、ユウキはスタッフ席で最終確認をしていた。


今回は主催者ではない。


一人の観客として、そして彼女たちを応援する存在として会場に来ていた。


スマートフォンには会社からメッセージが届く。


「社長、来週の会議資料を共有しました。」


ユウキは短く返信する。


「ありがとう。明日確認します。」


今日は仕事のことを少しだけ忘れよう。


そう決めて、ステージへ視線を向けた。



照明が落ちる。


会場が暗闇に包まれ、大きな歓声が響く。


「皆さん、こんばんは!」


アヤネの第一声で、客席の熱気は一気に高まった。


代表曲。


オリジナル曲。


ツアーで育ててきた新曲。


一曲一曲に、これまで訪れた街での思い出が重なる。


MCでは、アヤネが客席へ語りかけた。


「このツアーで、たくさんの景色を見ました。」


客席は静まり返る。


「初めて私たちを知ってくださった方。」


「遠くから応援に来てくださった方。」


「ずっと支えてくださっている皆さん。」


「本当にありがとうございます!」


大きな拍手が会場いっぱいに広がった。



アンコール。


客席から鳴りやまない拍手に応え、五人が再びステージへ現れる。


「最後の一曲です!」


イントロが流れる。


会場中が手拍子で一つになる。


客席の笑顔。


ステージの笑顔。


音楽が、そのすべてをつないでいた。


演奏が終わると、五人は深く頭を下げる。


「ありがとうございました!」


歓声はしばらく鳴りやまなかった。



終演後。


楽屋には、達成感に満ちた空気が流れていた。


「終わっちゃったね。」


ミユキがタオルで汗を拭く。


「でも、最高だった。」


マアヤが笑顔を見せる。


アグリも静かに頷いた。


「このツアーで、自分たちの音楽にもっと自信が持てるようになった。」


そこへ、ユウキが花束を持って入ってきた。


「みんな、お疲れさま。」


「ユウキさん!」


五人が一斉に立ち上がる。


ユウキは花束をアヤネへ手渡した。


「ツアー完走、本当におめでとう。」


「ありがとうございます。」


アヤネは大切そうに花束を抱えた。


イノリが一歩前へ出る。


「最初は不安ばかりでした。」


穏やかな声で続ける。


「でも、街を回るたびに応援してくださる方が増えて、『また来てほしい』と言っていただけることが、本当に嬉しかったです。」


ユウキは微笑む。


「その言葉は、みんなが積み重ねてきた努力への何よりのご褒美だね。」


イノリは静かに頷いた。


「はい。」



ライブホールを出ると、夜風が心地よく頬をなでた。


ツアーは終わった。


しかし、それは終着点ではない。


新しい出会い。


新しい音楽。


そして、もっと大きなステージ。


Luminous Fiveは、新たな夢へ向かって歩き始める。


その背中を見つめながら、ユウキもまた、自分自身の夢へ向かって静かに歩き出すのだった。


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