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第3期 第4話 三つ目の街で見えた景色

挿絵(By みてみん)


全国ツアー三か所目。


山々に囲まれた地方都市。


朝早く会場入りしたLuminous Fiveの五人は、ステージの上から客席を見渡していた。


「今までで一番広い会場かも。」


ミユキが客席の最後列を見つめる。


「少し緊張するね。」


マアヤはギターケースを開きながら深呼吸をした。


「でも、こういう場所で演奏するのが夢だったんだよね。」


アヤネが笑顔で振り返る。


「今日も私たちらしくいこう!」


「うん!」


四人の返事が重なった。



東京では、ユウキが午前中の打ち合わせを終えていた。


「社長、ツアーの評判がSNSでも広がっています。」


スタッフが画面を見せる。


「『地方でもライブを続けてくれて嬉しい』『また来てほしい』という投稿が増えています。」


ユウキは静かに微笑んだ。


「音楽が人と人をつないでいるんだな。」


午後には新幹線へ乗り込み、この日の公演へ向かう。


忙しい毎日だったが、不思議と疲れは感じなかった。


彼女たちが一歩ずつ夢へ近づく姿を見ることが、自分の活力にもなっていた。



開場一時間前。


リハーサルを終えた五人は円陣を組んでいた。


「今日は新曲を初めてツアーで披露するよ。」


アヤネが確認する。


「練習どおり落ち着いて。」


イノリが続ける。


「お客さんに楽しんでもらうことを忘れない。」


「了解!」


ミユキが元気よく拳を上げた。



ライブが始まる。


会場は満員ではない。


それでも、一人ひとりがステージへ真っすぐ視線を向けていた。


アヤネの歌声が響く。


マアヤのギターが会場を駆け抜ける。


イノリのベースが力強く支え、アグリのキーボードが優しく包み込む。


ミユキのドラムが会場全体を熱くしていく。


MCの時間。


アヤネがマイクを握った。


「この街へ来るのは初めてです。でも、こんなに温かく迎えていただけて、本当に嬉しいです!」


拍手が起こる。


その拍手に背中を押されるように、新曲の演奏が始まった。


演奏が終わると、一瞬の静寂。


そして、大きな歓声が会場いっぱいに響いた。


「ありがとう!」


五人は笑顔で何度も頭を下げた。



終演後。


物販スペースには長い列ができていた。


「新曲、すごく良かったです!」


「また来年も来てください!」


初めて会うファンとの会話に、メンバーの笑顔も自然と増えていく。


少し離れた場所でその様子を見ていたユウキは、小さく拍手を送った。


「ちゃんと届いている。」


その言葉を聞いたイノリが近づいてくる。


「ユウキさん。」


「お疲れさま。」


「今日は、新曲の反応が思っていた以上でした。」


「客席のみんなが真剣に聴いていたね。」


イノリは嬉しそうに頷いた。


「演奏しながら、それが伝わってきました。」



ホテルへ戻る前。


六人は地元の名物料理を囲んで夕食を取ることになった。


「いただきます!」


湯気の立つ料理を前に、自然と笑顔がこぼれる。


「こうしてみんなで食べる時間も、ツアーの楽しみだね。」


アグリが穏やかに言う。


「ライブだけじゃなくて、その土地の思い出も増えていく。」


ユウキも頷いた。


「仕事で地方へ来ることはあっても、こうして街をゆっくり感じる機会は少なかった。」


イノリが微笑む。


「音楽のおかげで、新しい景色に出会えていますね。」


「そうだね。」


窓の外には、静かな夜景が広がっていた。


全国ツアーはまだ道半ば。


一つの街を終えるたびに、新しい出会いと新しい思い出が増えていく。


その積み重ねが、Luminous Fiveをさらに大きなステージへと導いていくのだった。


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