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第3期 第3話 二つ目の街

挿絵(By みてみん)


全国ツアー二か所目。


海が見える地方都市。


朝、ホテルの窓を開けると、潮風が部屋へ吹き込んできた。


「いい天気だね。」


アヤネがカーテンを開ける。


「今日は観光したいくらい。」


ミユキが笑うと、マアヤも苦笑した。


「ライブが終わったら少しだけ歩けるかな。」


イノリはスケジュール表を見ながら言う。


「まずはリハーサルに集中しよう。」


「了解!」


四人が元気よく返事をする。



一方、ユウキは東京で仕事を終えたあと、新幹線で二つ目の会場へ向かっていた。


全国ツアー中も会社の経営は止まらない。


移動中の車内では、スタッフとオンラインで打ち合わせを続けている。


「社長、来月のイベント企画書です。」


「ありがとう。夜に確認して返事をするよ。」


パソコンを閉じると、窓の外には夕焼けに染まる街並みが流れていた。


「忙しいけど、不思議と苦じゃないな。」


そうつぶやき、ユウキは小さく笑った。



会場ではリハーサルが始まっていた。


「モニター、もう少しボーカルをお願いします!」


アヤネがスタッフへ伝える。


「ベースも少しだけ返してください。」


イノリも落ち着いて要望を伝えた。


前回のツアー初日よりも、五人は堂々としている。


スタッフとのやり取りもスムーズになっていた。


「皆さん、慣れてきましたね。」


音響スタッフが笑顔で言う。


「少しだけです。」


イノリは照れくさそうに笑った。


「でも、安心して演奏できる環境を作っていただけるので。」



開演時間。


客席には地元のファンだけでなく、前回の公演を見て遠征してきた観客の姿もあった。


「Luminous Five!」


歓声が響く。


アヤネがマイクを握る。


「今日は来てくださって、本当にありがとうございます!」


一曲目が始まる。


以前よりも客席との距離が近く感じられる。


MCでは会場から笑い声が起こり、演奏では自然と手拍子が広がった。


最後の曲を終えると、観客から大きな拍手が送られる。


「また来てください!」


そんな声が客席から飛び、五人は笑顔で手を振った。



終演後。


会場近くの小さなカフェで、メンバーとユウキは一息ついていた。


「今日は昨日より落ち着いて演奏できました。」


アグリが紅茶を飲みながら話す。


「お客さんの顔を見る余裕もありました。」


「ライブって、毎回違うんですね。」


マアヤが続ける。


「同じ曲でも、お客さんによって空気が変わる。」


ユウキは頷いた。


「だから何度でもステージに立ちたくなるんだろうね。」


「そうかもしれません。」


イノリが静かに笑う。


「今日も新しく応援してくださる方と出会えました。」



ホテルへ戻る途中。


イノリは海沿いの遊歩道で足を止めた。


夜の波音だけが静かに響いている。


「ユウキさん。」


「どうした?」


「このツアーが始まる前は、不安のほうが大きかったんです。」


「今は?」


「今は、次の街が楽しみです。」


そう言ってイノリは海を見つめた。


「一つライブが終わるたびに、自分たちも少しずつ成長できている気がします。」


ユウキは穏やかに微笑む。


「その積み重ねが、きっと未来につながる。」


イノリは力強く頷いた。


「はい。」


夜空には満天の星が広がっていた。


全国ツアーはまだ始まったばかり。


新しい街で、新しい出会いを重ねながら、Luminous Fiveは一歩ずつ前へ進み続けるのだった。


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