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第3期 第2話 旅立ちの朝

挿絵(By みてみん)


全国ツアー初日。


東京駅のホームには、早朝にもかかわらずLuminous Fiveの五人が集まっていた。


「いよいよだね。」


アヤネが大きく伸びをする。


「緊張して眠れなかったよ。」


ミユキが苦笑すると、マアヤも笑って頷いた。


「私も何度も目が覚めちゃった。」


アグリはキャリーケースを押しながら、穏やかな表情で言う。


「でも、この日をずっと楽しみにしていたから。」


イノリは改札の向こうを見つめ、小さく息を吸った。


「行こう。」


その一言に、四人は力強く頷いた。



一方、ユウキは会社でオンライン会議を終えたばかりだった。


「社長、今日からツアーですよね。」


スタッフがコーヒーを差し出す。


「初日の会場には行かれるんですか?」


「夕方まで仕事を片付けて、新幹線で向かう予定だよ。」


ユウキは笑顔で答えた。


主催するイベントの準備も進めながら、彼女たちの大切な一歩も見届けたい。


そんな思いがあった。



午後。


ツアー初日の会場は、地方都市にあるライブホールだった。


開場前から入口にはファンの列ができている。


「東京から来ました!」


「この日を楽しみにしていました!」


スタッフからそんな声を聞き、アヤネは驚いた表情を浮かべた。


「遠くから来てくれた人もいるんだ……。」


イノリは客席をそっと見渡す。


「期待に応えたいね。」


「うん。」



開演。


照明が落ち、五人がステージへ姿を現す。


「こんばんは! Luminous Fiveです!」


大きな拍手が響く。


一曲目から会場は熱気に包まれた。


新しいオリジナル曲。


ライブでは定番となった代表曲。


そしてアンコールまで、五人は全力で演奏を続けた。


最後の音が鳴り終わると、会場中から温かな拍手が送られる。


「ありがとうございました!」


五人は深く一礼した。



終演後。


物販スペースでは、初めて会うファンとの会話が続いていた。


「またこの街に来てください!」


「次のツアーも待っています!」


その言葉を受け、メンバーの表情は自然と笑顔になる。


少し離れた場所からその様子を見ていたユウキは、小さく拍手を送った。


「いいライブだった。」


するとイノリが駆け寄ってくる。


「ユウキさん、来てくださっていたんですね。」


「初日は見届けたかったから。」


「ありがとうございます。」


イノリは嬉しそうに笑う。


「初めての街で不安もありましたけど、お客さんの笑顔を見たら緊張がなくなりました。」


「その経験が、きっと次のステージにつながる。」


ユウキの言葉に、イノリは力強く頷いた。



ホテルへ戻る前、会場近くの川沿いを二人で少し歩いた。


街の灯りが水面に映り、穏やかな夜風が吹いている。


「今日の景色、忘れられないと思います。」


イノリが静かに言う。


「東京を離れても、応援してくれる人がいるって実感できました。」


「音楽は距離を越えて届くんだね。」


「はい。」


イノリは微笑んだ。


「このツアーで、もっとたくさんの人に私たちの音楽を届けたいです。」


ユウキも笑顔で応えた。


「その旅の始まりとして、最高の一日だった。」


初日の成功を胸に、Luminous Fiveの全国ツアーは次の街へ向かって走り始める。


そしてユウキもまた、彼女たちの挑戦を見守りながら、自らの夢へ向かって歩みを止めることはなかった。


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