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第2期 第11話 公開の日

挿絵(By みてみん)


三週間後。


Luminous Fiveが初めて制作したミュージックビデオが、ついに公開される日を迎えた。


朝からメンバーのグループチャットは通知でいっぱいだった。


**アヤネ:『いよいよだね!』**


**ミユキ:『緊張してきたー!』**


**マアヤ:『再生ボタン押す手が震える……』**


**アグリ:『たくさんの人に届くといいな。』**


イノリはスマートフォンを見つめ、小さく息をついた。


「ここまで来たんだね……。」



一方、ユウキは会社の会議室でスタッフとの打ち合わせを終えたところだった。


「社長、今日は例のMV公開日ですよね?」


若手社員が笑顔で尋ねる。


「よく覚えてたね。」


「もちろんです。イベントで演奏されていた曲でしたから。」


ユウキは時計を見る。


公開まで、あと五分。


「少しだけ休憩にしよう。」


社員たちも興味津々でパソコンを開いた。



正午。


公開ボタンが押される。


数分もしないうちに、コメントが少しずつ増えていく。


「演奏がかっこいい!」


「ライブにも行ってみたい。」


「ベースの音が好き!」


「ボーカルの歌声が素敵。」


イノリは画面を見ながら目を丸くした。


「もう感想が……。」


アヤネも嬉しそうに笑う。


「こんなに早く反応があるなんて!」


五人は何度も画面を見返し、小さな喜びを分かち合った。



その日の夕方。


ユウキはリハーサルスタジオを訪れた。


「公開、おめでとう。」


「ありがとうございます!」


五人は笑顔で迎える。


「もう見ていただけましたか?」


マアヤが尋ねる。


「もちろん。」


ユウキは頷いた。


「ライブとは違う魅力が伝わる映像だった。」


「本当ですか?」


アグリが安心したように笑う。


「特に、みんなが演奏を楽しんでいる表情が印象的だったよ。」


その言葉に、五人の表情が明るくなる。



リハーサルでは、新曲とMVの楽曲を続けて演奏した。


演奏が終わると、ユウキは拍手を送る。


「公開されたことで、この曲ももっと成長していきそうだね。」


「ライブで育てていきたいんです。」


イノリが答える。


「演奏するたびに少しずつ変わっていく曲にしたくて。」


「それも音楽の面白さだね。」



帰り道。


駅まで歩く途中、秋風が木々を揺らしていた。


「ユウキさん。」


イノリがゆっくり口を開く。


「最近、夢が少しずつ現実になっている気がします。」


「努力を続けてきた結果だよ。」


「でも、まだ始まったばかりです。」


イノリは微笑む。


「もっとたくさんの人に私たちの音楽を届けたい。」


「その夢なら、きっと一歩ずつ近づける。」


ユウキの言葉に、イノリは力強く頷いた。


「はい。」


その夜。


MVの再生回数は少しずつ伸び続けていた。


数字はまだ決して大きくない。


それでも、一つひとつの再生、一つひとつのコメントが、五人にとっては大切な応援だった。


夢へ続く道は長い。


だからこそ、その一歩一歩が何よりも輝いて見えた。


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