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第2期 第9話 初めてのデモテープ

挿絵(By みてみん)


夏の終わり。


Luminous Fiveのメンバーは、小さなレコーディングスタジオに集まっていた。


「緊張するね。」


マアヤがギターを抱えながら笑う。


「ライブとはまた違うね。」


ミユキもスティックを握り直した。


今日は、メンバー全員で初めて制作したオリジナル曲のデモ音源を録音する日だった。


作曲はマアヤ。


歌詞はアヤネを中心に五人で話し合いながら書き上げた。


アグリがピアノでメロディを膨らませ、イノリがベースラインを組み立て、ミユキがリズムを整える。


五人で少しずつ形にした、初めての一曲だった。



「じゃあ、一度通してみよう。」


エンジニアの合図で演奏が始まる。


何度もライブを経験してきた五人だったが、マイクの前で録音するのはまた別の緊張感がある。


「もう一回いこう。」


録音が終わるたびに細かな修正を重ねていく。


「サビのコーラス、もう少し重ねてみようか。」


「ベースの入りを少しだけ前にしよう。」


メンバー同士で意見を出し合いながら、一歩ずつ完成へ近づけていく。



夕方。


録音を終えた五人は、スタジオのロビーでほっと息をついた。


「疲れたぁ。」


ミユキがソファに倒れ込む。


「でも楽しかった!」


「完成が楽しみだね。」


アグリも穏やかに微笑む。


イノリはイヤホンで仮ミックスを聴きながら、小さく頷いた。


「まだ改善できるところはあるけど、私たちらしい曲になったと思う。」


その言葉に、メンバー全員が笑顔になる。



その夜。


ユウキは仕事を終えたあと、Luminous Fiveから届いたメッセージを開いた。


『今日、初めてのデモ音源が完成しました。もしお時間があるときに聴いていただけたら嬉しいです。』


添付された音源を再生する。


イントロが流れ始める。


ライブで聴いてきた五人の音とは少し違う。


それでも、迷いながらも前へ進もうとする気持ちが、音の一つひとつから伝わってきた。


曲が終わると、ユウキは自然と笑みを浮かべる。


「いい曲だ。」


すぐにメッセージを返信した。


『初めてとは思えないくらい、みんならしさが出ているね。これから何度も演奏して育てていけば、もっと素敵な曲になると思う。』


数分後。


イノリから返事が届く。


『ありがとうございます。その言葉で安心しました。』



翌日。


ユウキはリハーサルスタジオを訪れ、完成したばかりの曲を生で聴かせてもらうことになった。


「まだ完成形ではないんですけど。」


イノリが少し照れながら言う。


「だからこそ、率直な感想を聞きたくて。」


「分かった。」


演奏が始まる。


昨日のデモよりも、五人の表情は生き生きとしていた。


ライブで演奏することで、曲に命が吹き込まれていく。


最後の音が消えると、静かな拍手が響いた。


「ありがとう。」


ユウキは穏やかに微笑む。


「この曲は、みんなが一緒に作った時間まで伝わってくる。」


五人は顔を見合わせ、嬉しそうに笑った。


初めて自分たちの手で生み出した一曲。


それは、Luminous Fiveが次のステージへ進むための、新しい一歩となるのだった。


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