第2期 第8話 それぞれの次の一歩
「NEXT RISE FESTIVAL」の翌週。
イベントの余韻は、まだ街のあちこちに残っていた。
出演アーティストのSNSには写真や動画が投稿され、来場した観客からも多くの感想が寄せられている。
ユウキは会社の会議室で、イベント終了後の報告書に目を通していた。
「来場者数は目標を上回りました。」
スタッフが資料を差し出す。
「アンケートの満足度も高いです。」
ユウキは静かにうなずいた。
「みんなのおかげだね。」
「来年も開催を期待する声がかなりあります。」
「それなら、また新しい挑戦を考えよう。」
イベントは終わった。
だが、次の準備はもう始まっている。
◇
その日の夕方。
Luminous Fiveの五人は、所属事務所で今後の活動について話し合っていた。
「フェスのあと、ライブの問い合わせが増えてる。」
アヤネがスケジュール表を見せる。
「地方からも声がかかってるよ。」
マアヤが驚いたように目を丸くした。
「本当に?」
「うん。」
アグリも嬉しそうに笑う。
「少しずつだけど、活動の幅が広がってるね。」
イノリはスケジュールを眺めながら言った。
「忙しくなるけど、一つひとつのライブを大切にしたい。」
「賛成!」
ミユキが元気よく手を挙げた。
「来てくれる人に、『また来たい』って思ってもらえるライブをしよう!」
五人は笑顔でうなずき合った。
◇
数日後。
ユウキはLuminous Fiveのライブを見に訪れていた。
以前よりも会場は賑わい、初めて見る顔の観客も増えている。
ライブ終了後、楽屋で五人と合流した。
「今日もお疲れさま。」
「ありがとうございます!」
アヤネが笑顔で迎える。
「新曲、すごく盛り上がってましたね。」
ユウキが感想を伝えると、マアヤが少し照れながら笑った。
「実は、みんなで何度もアレンジをやり直した曲なんです。」
「その努力が伝わってきたよ。」
イノリも安心したように息をつく。
「そう言ってもらえて嬉しいです。」
◇
帰り道。
駅までの道を、ユウキとイノリはゆっくり歩いていた。
夏の夜風が心地よく吹き抜ける。
「イベントが終わって、少し落ち着きましたね。」
イノリが空を見上げる。
「そうだね。でも、次の企画を考え始めると、また忙しくなりそうだ。」
「ふふ。」
イノリは笑う。
「ユウキさんらしいですね。」
少し歩いたところで、イノリが立ち止まる。
「実は、相談したいことがあるんです。」
「相談?」
「私たち、自分たちで楽曲制作にも挑戦してみたいと思っていて。」
ユウキは興味深そうに耳を傾ける。
「いい挑戦だね。」
「でも、経験が少ないので、不安もあります。」
「焦らなくていい。」
ユウキは穏やかに答えた。
「新しいことは、最初から完璧にはできない。でも、挑戦した経験は必ず力になる。」
イノリはその言葉を聞いて、小さく笑顔になった。
「ありがとうございます。」
◇
別れ際。
イノリは改札へ向かう前に振り返った。
「次に会うときは、新しい曲のデモを聴いてもらえるように頑張ります。」
「楽しみにしてる。」
ユウキは笑顔で手を振った。
夢は、一つ叶えば終わりではない。
新しい夢が生まれ、その夢へ向かってまた歩き始める。
ユウキも、Luminous Fiveも、それぞれの未来へ向かって、少しずつ確かな一歩を積み重ねていくのだった。




