第2期 第6話 本番前夜
「NEXT RISE FESTIVAL」開催前日。
朝から会場では設営が始まり、スタッフたちが慌ただしく動き回っていた。
「照明機材、搬入完了です!」
「音響チェックを始めます!」
無線から次々と報告が入る。
ユウキは会場全体を歩きながら、一つひとつ確認していく。
昨年より大きな会場。
出演者も来場者も増え、責任はさらに重くなっていた。
「社長。」
運営スタッフの一人が声をかける。
「出演者のリハーサルが始まります。」
「分かった。すぐ行く。」
ユウキは資料を閉じ、ステージへ向かった。
◇
ステージでは、Luminous Fiveの五人が音合わせをしていた。
「ワン、ツー、スリー!」
ミユキのカウントで演奏が始まる。
アヤネの歌声が響き、マアヤのギターが軽やかに重なる。
イノリのベースが全体を支え、アグリのキーボードが優しく彩りを添える。
一曲を終えると、音響スタッフが親指を立てた。
「バランス、いいですね。」
「ありがとうございます!」
アヤネが笑顔で応える。
ユウキもステージ袖から拍手を送った。
「前回より安定してる。」
「最近はライブの本数も増えましたから。」
イノリが少し照れながら答える。
「経験が自信につながってきた気がします。」
◇
リハーサルを終えると、出演者全員が簡単なミーティングに集まった。
「明日は長い一日になります。」
ユウキは全員を見渡しながら話し始める。
「でも、一番大切なのは楽しむことです。」
出演者たちは真剣な表情で耳を傾ける。
「お客さんは、皆さんの音楽を楽しみに来ています。だからこそ、自分たちらしいステージを届けてください。」
その言葉に、大きな拍手が起こった。
◇
夕方。
設営が一段落すると、Luminous Fiveの五人は会場の客席に座っていた。
誰もいないステージを静かに見つめる。
「明日には、ここがお客さんでいっぱいになるんだね。」
ミユキがぽつりと言う。
「最初は想像もできなかったな。」
マアヤが笑う。
アグリはゆっくりと客席を見回した。
「緊張もするけど、それ以上に楽しみ。」
イノリは静かにうなずく。
「私たちを初めて見る人にも、『また聴きたい』と思ってもらえる演奏をしたい。」
「そうだね。」
アヤネが立ち上がる。
「明日は最高の一日にしよう。」
「うん!」
四人の声が重なった。
◇
帰り際。
ユウキは会場の外でイノリと顔を合わせた。
「今日はお疲れさま。」
「ユウキさんも。」
イノリは少し微笑む。
「明日はいよいよ本番ですね。」
「ああ。」
「私、少し緊張しています。」
「それだけ真剣ってことだよ。」
ユウキは穏やかに答えた。
「でも、今のみんななら大丈夫。ここまで積み重ねてきたものを、そのまま届ければいい。」
イノリはその言葉を胸に刻むようにゆっくりとうなずいた。
「ありがとうございます。」
夜空には、一番星が輝き始めていた。
明日は、また新しい景色を見ることができる。
その期待を胸に、それぞれが静かな夜を迎えるのだった。




