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第2期 第2話 新しい会場、新しい可能性

挿絵(By みてみん)



休日の朝。


ユウキは郊外に新しく完成したライブホールの前に立っていた。


ガラス張りのエントランスに、広々としたロビー。


これまで使用してきたライブハウスとは違い、数百人規模の観客を収容できる会場だった。


「ここなら、もっとたくさんの人に音楽を届けられるかもしれない。」


そんなことを考えていると、遠くから元気な声が聞こえた。


「ユウキさん、お待たせしました!」


先頭を歩いてきたのはアヤネ。


続いてマアヤ、イノリ、アグリ、ミユキが姿を見せる。


「皆さん、今日はよろしくお願いします。」


イノリが穏やかに頭を下げる。


「こちらこそ。今日は出演者目線で気づいたことを、どんどん教えてほしい。」


「任せてください!」


ミユキが胸を張ると、その場に笑いが広がった。



会場スタッフの案内で、ステージへ向かう。


客席から見るステージは十分な広さがあり、照明設備も充実していた。


「すごい……。」


アグリが思わず声を漏らす。


「こんなステージで演奏できたら気持ちいいでしょうね。」


マアヤはギターを構える真似をしながら立ち位置を確認している。


一方、イノリはステージから客席をじっと見つめていた。


「どうした?」


ユウキが声をかける。


「一番後ろの席でも、出演者の表情が見えそうですね。」


「そこは会場選びでこだわったところなんだ。」


「素敵です。」


イノリは小さく笑った。


「演奏する側も、お客さんの反応が見えやすそうです。」


ユウキはメモを取りながら頷く。


「他にも気づいたことがあれば教えて。」


「楽屋からステージまでの動線が短いですね。」


「それなら本番前の移動も安心できます。」


五人は次々と意見を出していく。


どれも実際にライブを経験しているからこその視点だった。



見学を終えたあと、一行は近くのカフェへ入った。


「今日は勉強になりました。」


アヤネがアイスティーを口にする。


「私たちも、いつかこういうホールでワンマンライブができるようになりたいです。」


「きっとできる。」


ユウキは自然な口調で答えた。


「今のみんななら、その目標に向かって進んでいけるよ。」


「ありがとうございます。」


その言葉に、五人は励まされたような表情を浮かべる。


ミユキがふと尋ねた。


「ユウキさんは、次の目標って何ですか?」


少し考えたあと、ユウキは答えた。


「全国から『このイベントに出たい』と思ってもらえるフェスを作ることかな。」


「じゃあ、私たちも出演し続けられるように頑張らないと。」


マアヤが笑う。


「でも、その前にもっと実力をつけないとね。」


イノリも静かに頷いた。


「応援してくれる人を増やして、もっと胸を張ってステージに立てるようになりたいです。」



帰り道。


駅までの道を歩きながら、イノリがぽつりと話しかける。


「今日、ユウキさんの仕事を少し近くで見られて良かったです。」


「そう?」


「イベントって、ただ会場を借りればできるものじゃないんですね。」


「たくさんの人が支えてくれて、ようやく一つの舞台になる。」


「ライブも同じですね。」


二人は顔を見合わせて笑う。


出演者と主催者。


立場は違っても、目指しているものは同じだった。


春の夕暮れの中、二人は次のステージに向けた夢を語り合いながら、ゆっくりと駅への道を歩いていった。


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