第2期 第1話 新たなステージ、新たな風
春。
ワンマンライブの成功から三か月が過ぎていた。
Luminous Fiveは以前よりも多くのライブ出演依頼を受けるようになり、週末は各地のライブハウスを回る日々が続いていた。
一方、ユウキが主催する「NEXT RISE FESTIVAL」も音楽業界で少しずつ名前が知られ始めていた。
「社長、今年は出演希望が去年の三倍です。」
スタッフが資料を差し出す。
「こんなに……。」
ユウキはページをめくりながら目を丸くした。
インディーズバンド、シンガーソングライター、アイドルグループ。
全国から数百組もの応募が集まっている。
「選考が大変になりますね。」
「だからこそ、公平に審査しよう。」
ユウキは静かに答えた。
「無名でも、本当にいい音楽を届ける人にチャンスを渡したい。」
スタッフたちは力強くうなずいた。
◇
その日の夕方。
Luminous Fiveの五人が事務所を訪れた。
「こんにちは!」
先頭を歩くアヤネは以前にも増して明るい笑顔を見せる。
「お久しぶりです。」
マアヤ、アグリ、ミユキも続いて頭を下げる。
最後にイノリが穏やかに微笑んだ。
「お仕事、お忙しそうですね。」
「みんなもライブ続きなんでしょ?」
「はい。」
イノリは苦笑する。
「ありがたいことに出演本数が増えました。」
「でも、体調管理も仕事だからね。」
「気を付けます。」
会議室では今年のイベントについて意見交換が始まった。
「今回は地方から来る出演者も多いので、交流会を開くのはどうでしょう。」
アグリが提案する。
「面白いね。」
ユウキはメモを取る。
「演奏だけじゃなく、人との出会いも大事にしたい。」
「私たちも何か協力できることがあれば。」
アヤネが言うと、他の四人も大きくうなずいた。
◇
打ち合わせが終わるころには、外は夕焼けに染まっていた。
「そうだ。」
ユウキが思い出したように口を開く。
「今度、新しいライブ会場を見学しに行くんだけど、一緒に来ない?」
「私たちもですか?」
ミユキが目を輝かせる。
「出演者目線の意見も聞きたいから。」
「ぜひ行きたいです!」
五人は顔を見合わせて笑った。
イノリも静かにうなずく。
「ステージに立つ側だから気づけることもあると思います。」
「期待してる。」
◇
帰り道。
イノリとユウキは駅まで並んで歩いていた。
「第2回イベントが終わってから、いろいろ変わりましたね。」
「そうだね。」
「でも、一つだけ変わらないことがあります。」
「何?」
イノリは少し照れながら笑う。
「音楽が好きだという気持ちです。」
ユウキも笑顔になる。
「それが一番大事だ。」
春の風が二人の間を吹き抜ける。
新しい季節。
新しい挑戦。
そして、新たな出会い。
ユウキとLuminous Fiveは、それぞれの夢を胸に、また次のステージへ向かって歩き始めるのだった。




