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第13話 夢の続きを

挿絵(By みてみん)


Luminous Five初のワンマンライブ当日。


会場前には、開場を待つファンの列ができていた。


「思った以上に人が多いな……」


ユウキは会場の外からその光景を見つめ、小さく笑みを浮かべた。


数か月前。


初めて彼女たちを見たライブハウスでは、客席は決して満員ではなかった。


それが今では、開場前から期待に満ちた空気が流れている。


五人が積み重ねてきた努力は、確かに実を結び始めていた。



開演十分前。


控室では五人が円陣を組んでいた。


「ここまで来られたね。」


アヤネが静かに口を開く。


「途中で諦めそうになったこともあった。」


マアヤがうなずく。


「ライブのお客さんが数人しかいない日もあったよね。」


「それでも続けてきた。」


ミユキが笑う。


「今日、この景色を見られるんだから。」


イノリはメンバー一人ひとりの顔を見渡した。


「今日という日はゴールじゃない。」


「私たちの新しいスタートにしよう。」


「うん!」


五人の声が重なった。



客席の照明が落ちる。


大きな歓声が響く。


ステージ中央へ歩み出たアヤネが、マイクを握る。


「今日は来てくださって、本当にありがとうございます!」


会場いっぱいの拍手。


一曲目が始まる。


勢いのあるロックナンバー。


続いてバラード。


そして、イベントで披露した代表曲。


観客の手拍子が会場を包み込み、五人の演奏はこれまでで一番の一体感を見せていた。


客席後方から見守るユウキは、胸が熱くなるのを感じていた。


(本当に、大きくなったな。)



アンコール。


アヤネがマイクを持つ。


「最後に、私たちには感謝を伝えたい人がいます。」


メンバー全員がうなずく。


「私たちが前へ進むきっかけをくれた人。」


「夢を応援してくれた人。」


「イベントで新しい景色を見せてくれた人。」


アヤネは客席の後方へ視線を向けた。


「ユウキさん、本当にありがとうございました。」


突然の言葉に、客席から温かな拍手が起こる。


ユウキは少し照れながら立ち上がり、軽く一礼した。


主役は彼女たちだ。


だから、それ以上前へ出ることはしない。


ただ、一人の応援者として拍手を送り続けた。



ライブ終了後。


控室では五人が涙ぐみながら笑っていた。


「終わっちゃったね。」


ミユキが目元をぬぐう。


「でも、最高だった。」


アグリも笑顔を見せる。


そこへユウキが入ってきた。


「お疲れさま。」


五人が一斉に振り向く。


「今日は本当に素晴らしいライブだった。」


「ありがとうございます!」


アヤネが深く頭を下げる。


「皆さんのおかげです。」


ユウキは首を横に振る。


「違うよ。」


「今日、このステージを作ったのは、みんな自身だ。」


その一言に、五人の表情がほころぶ。


イノリが一歩前へ出た。


「これからも、私たちはもっと上を目指します。」


「ライブハウスだけじゃなく、もっと大きなステージへ。」


「その夢、応援してる。」


ユウキは笑顔で答えた。


「そして僕も、もっとたくさんのアーティストが輝けるイベントを作り続ける。」


互いに目指す夢は違う。


それでも、その夢はどこかでつながっている。



会場を出ると、夜空には満天の星が広がっていた。


初めて出会った小さなライブハウス。


そこから始まった一つの縁は、多くの人を笑顔にする舞台へとつながっていった。


ユウキは夜空を見上げ、小さくつぶやく。


「ここからが、本当のスタートだ。」


新しいイベント。


新しい挑戦。


そして、新しい物語。


こうして、ユウキとLuminous Fiveの第一章は幕を閉じる。


だが、彼らの夢は、まだ始まったばかりだった。


第1期・完。


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