第12話 ワンマンライブへのカウントダウン
「あと一週間か……。」
ユウキはデスクの上に置かれたチケットを見つめていた。
Luminous Five初のワンマンライブ。
ライブハウスでの活動を続けてきた五人にとって、大きな挑戦となる一日だ。
スマートフォンにはアヤネからメッセージが届いていた。
**『チケット、あと少しで完売です!』**
ユウキは思わず笑みを浮かべる。
**『本当にすごい。みんなの努力の結果だね。』**
すぐに返信が届く。
**『当日は最高のライブにします!』**
◇
ライブ前日。
ユウキはリハーサルの見学に招かれ、ライブハウスを訪れた。
ステージでは照明の確認や音響テストが行われている。
「社長!」
ミユキが元気よく駆け寄ってきた。
「見に来てくれたんですね!」
「もちろん。」
アヤネも笑顔を見せる。
「今日は最終リハーサルなんです。」
五人は本番と同じ流れで演奏を始めた。
曲と曲の間のMC。
照明のタイミング。
ステージ上での立ち位置。
細かな部分まで何度も確認を繰り返していく。
演奏が終わると、ユウキは拍手を送った。
「前よりも一体感がある。」
「ありがとうございます!」
マアヤがほっとしたように笑う。
「まだ少し不安もありますけど。」
「緊張するのは、それだけ本気だからだよ。」
ユウキの言葉に、五人は静かにうなずいた。
◇
リハーサル後。
近くのカフェで軽く休憩を取ることになった。
今日は五人全員がそろっている。
「ワンマンライブが決まったときは、本当に信じられませんでした。」
アグリが温かい紅茶を手に話し始める。
「いつかできたらいいね、って夢みたいに話していたので。」
「でも、その夢が現実になった。」
ユウキが言うと、アヤネは力強くうなずく。
「はい!」
イノリも穏やかな表情で続けた。
「ここまで来られたのは、応援してくださる方が少しずつ増えたからです。」
「そして、イベントで新しい景色を見せてもらえたことも大きかったです。」
ユウキは首を横に振る。
「きっかけは作れても、その先へ進んだのはみんな自身だよ。」
その言葉に、五人は自然と笑顔になった。
◇
店を出たあと、駅へ向かう途中でイノリがユウキの隣に並ぶ。
「最近、考えることがあるんです。」
「どんなこと?」
「夢って、一つ叶うと終わりじゃないんですね。」
イノリは夜空を見上げた。
「ワンマンライブが決まったら満足すると思っていました。でも今は、その先の景色も見てみたいって思っています。」
「その気持ちは大切だね。」
ユウキは穏やかに答える。
「目標ができると、人はもっと成長できる。」
「はい。」
少し照れたように笑うイノリ。
「ユウキさんにも、そのライブを見届けてほしいです。」
「もちろん。」
ユウキは迷わず答えた。
「客席から、みんなの最高のステージを応援するよ。」
◇
帰宅後、ユウキはワンマンライブのチケットをデスクの上に置いた。
初めて出会った、小さなライブハウス。
そこから始まった縁は、今では五人の夢を後押しするほど大きなものになっている。
一週間後。
Luminous Five初のワンマンライブ。
そのステージが、彼女たちにとって新たな未来への扉になることを、ユウキは心から願っていた。




