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第11話 広がり始める未来

挿絵(By みてみん)


第二回「NEXT RISE FESTIVAL」が終わってから数日。


イベントの反響は、ユウキの予想を上回っていた。


SNSには出演アーティストの感想が並び、来場者からは「次回も開催してほしい」という声が数多く寄せられていた。


会社の会議室では、スタッフたちも笑顔を見せている。


「社長、スポンサー企業から連絡です。」


「来年も協賛を前向きに検討したいそうです。」


「本当か?」


ユウキは思わず立ち上がった。


一度目は挑戦。


二度目は実績。


そして三度目は、イベントとして定着するかどうかの大切な節目になる。


「よし。」


ユウキは資料を閉じた。


「もっと良いイベントを作ろう。」



その週末。


Luminous Fiveはライブハウスで定期公演を行っていた。


ユウキも仕事を終え、客席の後方から静かにステージを見守る。


以前より観客が増えている。


最前列では新しいファンがペンライトを振り、曲に合わせて声援を送っていた。


「みんな、ありがとう!」


アヤネの笑顔も以前より自信に満ちている。


ライブ終了後、楽屋で五人と合流した。


「ユウキさん!」


ミユキが駆け寄る。


「今日も来てくれたんですね!」


「仕事が早く終わったからね。」


「最近、お客さんが本当に増えたんですよ!」


アヤネが嬉しそうに話す。


「イベントで知ってくださった方が、またライブに来てくれて。」


「努力が実ってきた証拠だね。」


ユウキの言葉に、五人はうれしそうに顔を見合わせた。



ライブハウスを出る頃には、夜風が心地よく吹いていた。


「ユウキさん。」


イノリが声をかける。


「少し歩きませんか?」


二人は駅までの道をゆっくり歩き始めた。


「最近、毎日があっという間です。」


イノリが空を見上げる。


「ライブも増えて、練習も忙しくて。」


「充実しているんだね。」


「はい。」


少し照れたように笑う。


「でも、不思議なんです。」


「何が?」


「忙しいのに、前みたいな不安はあまり感じなくなりました。」


ユウキは静かに耳を傾ける。


「前へ進んでいるって思えるから。」


その一言に、ユウキは自然と笑みを浮かべた。


「それなら良かった。」


「ユウキさんは?」


「僕?」


「最近、何か変わりましたか?」


少し考えてから答える。


「仕事は相変わらず忙しい。でも。」


イノリを見る。


「音楽に触れる時間が増えて、休日を楽しめるようになったかな。」


「ふふ。」


イノリは優しく笑う。


「それ、私たちのおかげですか?」


「そうかもしれない。」


「嬉しいです。」



駅前の広場。


別れ際、イノリがバッグから小さな封筒を取り出した。


「これ。」


「ん?」


「来月、私たちのワンマンライブを開催することになりました。」


中にはライブのチケットが入っている。


「ぜひ来ていただけたら。」


ユウキはチケットを受け取り、うれしそうに頷いた。


「もちろん行くよ。」


「ありがとうございます。」


イノリは安心したように微笑んだ。


「今度は、私たち自身の力で満員の景色を目指します。」


その瞳には、以前にはなかった強い意志が宿っていた。


ユウキもまた、その挑戦を心から応援したいと思う。


仕事から始まった縁は、互いの夢を支え合う大切な関係へと変わり始めていた。


そして、Luminous Fiveの新たな挑戦も、静かに幕を開けようとしていた。

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