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流れ星パムの喫茶店 〜癒しで叶える不思議メニュー〜  作者: かなちょろ


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真夏のコーンポタージュ

 アスファルトがジリジリと焼けつき、肺に入る空気は熱気を持ち、ムシムシとして汗は流れるし、化粧は崩れるし……。


「あっつい……」


 こんな時は冷たい飲み物をグーッと一杯飲み干したい……とにかくジュースにアイスと食べ物もそうめんなどの冷たい物ばかり。

 家に帰ればクーラーをガンガンにかけて扇風機で部屋を冷やしている。

 食材も直ぐに悪くなっちゃうから冷蔵庫にはビールやジュースばかり。

 そんな生活をしていれば……。


「具合悪い……」


 夏バテをした……。

 食べ物も受け付けず、食べられるのは結局そうめんになる……チュルチュル啜り、暖かいお茶をクーラーの下で飲む。


「明日は会議か……」


 帰って資料にもう一度目を通しておかないとな……。

 バテバテの体を引きずって帰宅する。

 洗濯物も部屋のゴミも片付かない……何も食べる気も起きないが、明日の仕事の事を考えると何かお腹に入れておかないとダメだよね……。

 作るのも億劫(おっくう)だけど、外は夜でも暑い……、……出る気にならない……。

 今日も飲み物だけでいいかな……、……ううん、やっぱり何か食べないと……。

 もうなんでもいいから適当に作って食べよ。

 そして作ったのはそうめん……。


「あ〜あ……失敗しちゃった……」


 次の日の会議、フラフラとしていてお茶はこぼすし、転ぶし、間違えて違う資料をコピーしちゃうし……ダメダメな一日……。

 今日は早く帰って寝よ……。


 いつもの帰り道、見たことの無いお店が出来上がってた。


「いつの間に……喫茶店かな? 中は涼しそうだし今日のご飯はここでいいか……」


 店内に入ると若い女性の店員さんと、いかにもなマスターがいる。


「いらっしゃいませー、どうぞこちらへ」


 若い店員さんに案内されカウンターへ。


「あの、メニューはありますか?」

「はい、こちらをどうぞ」


 渡されたのはメニュー表だけど、書かれていたメニューはどれも温かい食べ物ばかり……。


「あの、冷たい物はありませんか?」

「もちろんござますが、お客様にはオススメがございますよ」

「おすすめですか? それはなんですか?」

「コーンポタージュです」

「コンポタですか? 確かに嫌いじゃ無いですけど……」

「それでは少々お待ちくださいませ」

「あ、あの……」


 マスターは私にオススメしたコンポタを作り始めた。

 思わずカウンター越しに作り方を見てしまう。


 茹でたとうもろこしと刻んだ玉ねぎをバターで炒め、とうもろこしの芯を牛乳で茹でている。

 とうもろこしの芯はザルでこして二つを合わせ塩、コンソメを少量足し、ブレンダーで攪拌(かくはん)をする。

 とうもろこしの粒が滑らかになれば生クリームを少量足してザルでこす。

 少しのとうもろこしの粒を入れ、表面に生クリームをスプーンで回しかけ、みじん切りのパセリをかければ完成。


「どうぞ」


 差し出されたコーンポタージュを一口飲むといつもとは違う!

 スッと胃に染み渡る……。


「おいしい……」

「ありがとうございます」

「でもなんでコーンポタージュなんですか?」

「見たところお客様はだいぶお疲れのご様子。 夏バテのようでしたので、冷たい物より温かく胃に負担のかからない夏のスープを作らせていただきました」

「そっか……そういえばあったかい物なんて久しぶりかも……」

「胃が疲れてしまえば夏バテにもなります。 作り方は見ていたようですので、ご自宅でも温かい食べ物や飲み物を召し上がってください」

「そうします」

「とうもろこしでは無く、じゃがいもやにんじん、かぼちゃ、それににんにくで作っても美味しいスープになりますので作って見てくださいね」

「ありがとうございます。 それにコーンポタージュ飲んだらなんだかお腹空いて来ました」

「それでは何かお作りいたします」


 マスターに夏の紫外線対策としてトマトを使った料理を作ってもらい家に帰る。


「あ、あれ?」


 なんだか今日は温かいお風呂に入りたくなり、冷房の温度もいつもより高くし、扇風機だけで体が軽くなった。

 そして次の日……。


「今日のプレゼン良かったよ。 また次もよろしく」

「ありがとうございます」


 起きたら体調も良く、今日は失敗しなかったし褒められちゃった!

 やっぱりちゃんとした生活って重要なのかも……またあの喫茶店行ってみようかな。

 そう思って帰りに探してけれど何処にも見当たらない。


「この辺りのだったはずだったんだけど……」


 諦めていると肩をポンっと叩かれた。


「こんばんは〜」

「あ! 昨日の店員さん!」

「これウチのマスターからです。 それじゃ!」

「あ! ちょっと待ってくださいー! ……行っちゃった……」


 折り畳んだ紙を渡され開いて見ると……。


 ジリリリとスマホの目覚ましが鳴り響く。


「う〜ん……あれ? 私どうしたんだっけ? ……、……そうだ! 今日はプレゼンがあったんだ! 急いで支度して行かないと!」


 私は急いで支度をして会社へ。

 いつもとは違い体が動きテキパキと行動も出来たし、その日のプレゼンは大成功!

 今日は夕飯は家で作ろうと考えていたら鞄に一枚の紙が入っている事に気がついた。


「この紙……」


 書かれていたのはコーンポタージュのレシピ。


「やっぱり夢じゃなかった……、……よし! 今日はコーンポタージュだ!」


 初めて家で作るコーンポタージュはマスターの作ってくれた味には程遠い……でも温かいコーンポタージュは体に染み渡る。

 ついでにトマト料理にも挑戦した。


 私はもう夏バテなんてへっちゃらだ!

 だってあのマスター直伝のコーンポタージュがあるんだから。


「レシピなんて渡してよかったの?」

「だって一度きりじゃよくはならないじゃん。 それに僕の作るコーンポタージュはレシピがあっても真似は出来ないさ」

「それもそうね。 それじゃ次に行きましょ!」

「そうだね、僕達も夏バテしないように頑張ろ」


 夏の夜空の下、何処かにある不思議な不思議な喫茶店。

読んで頂きありがとうございます。

不定期連載ですが頑張って書いていきますので、モチベを上げてあげようと思っていただけるようでしたらブクマや★評価をつけていただけますと作者が喜んで踊りながら遅い執筆も早くなると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

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