4-10 カルカムンド
カルカムンドに到着した。
門番に冒険者証を見せるが、通してもらえなかった。
「今カルカムンドでは問題が起きていてね
冒険者とはいえ、
許可を得たものでないと通せないんだ。
悪いね」
……なんだそれは聞いていないぞ……
すると僕たちの問題に気づいた
ララミィが、助け船を出してくれた。
門番に何かを見せて言った。
「この方達は私の依頼できてくれた冒険者です。
許可していただけませんか?」
「!?
聖女様でしたか
失礼致しました。
どうぞ、お入り下さい」
そして、僕たちは無事入国に成功した。
「ありがとうございました」
「いえいえ、いつもはここまで制限はないのですが……」
話しながら、ララミィ達に連れられ街を歩く。
「到着しました。」
教会のような場所に到着した。
ここは、ララミィの持つ拠点の1つのようだ。
僕たちを椅子に座らせ、
二人も向かい側に座りフードを取ると、
ララミィ髪は桃色で落ち着いた印象を受ける
顔立ちをしていた。
レベッカは、髪は銀色で幼い顔立ちをしていた。
レベッカは10才くらいの少女に見える。
「さて、ここならゆっくり話せますね。
お話を聞いてくださり、ありがとうございます
私たちの国は今かなり困った状況にありまして……」
ララミィの話によると、カルカムンドは今
獣人族に攻め込まれそうになっているらしい。
獣人族とはその名の通り、
獣を人にしたような種族で、
犬や熊など、様々な獣人がいる。
獣人族は、カルカムンドの近くに
その里があり、交流もあったようだが、
突然攻め込んで来たらしい。
なんとか騎士団が駆けつけ、
からくも撃退できたが、
王都は甚大な被害を受けたようだ。
理由も分からず、交渉も通じそうにないので
闘うしかなく、その準備をしているようだ。
獣人族は基本的に自ら人を襲うようなことはなく、
今まで比較的友好的な関係を築いていたので、
背後にいる何者かが唆しているという説が有力らしい。
何者かというのは、魔族の可能性が高い。
性格的な問題なのか、基本的に人や獣人、エルフ等は人と争い、犠牲を払ってまで、他国を侵略したいとは考えない。
はるか大昔にはそんなこともあったようだが、
今この世界で侵略や征服を目論んでいるのは
魔族くらいであろう。
デュルネステス族のこともあるし、今世界で魔族は活発に動いているのかもしれない。
もちろんそれは可能性の1つであり、
獣人族が自らの意思で動いている可能性もあるし、
他の種族が絡んでいる可能性もある。
こういう状況であるのでよそ者を
おいそれと入国させる訳にも行かず、
僕たちも一度断られてしまったようだ。
ララミィとレベッカはレベッカの修行のため、
国を出ていたが、ララミィの元に便りが届き、カルカムンドに戻っていたところを
たまたま同じ馬車に僕たちが乗り合わせたようだ。
獣人の国はエルフの里へ行くための
途中経路でもあるので、
今すぐエルフの里へ向かいたければ、
この問題は無視できない。
別の経路を探す方法もあったが、
エナ姫がやる気のようなので手伝うことにした。
今はカルカムンド対獣人族の争いだが、
それだけで収まらない危険性もある。
しかし、エナ姫が助けたい理由は単純に
困った人を放っておけないからだろう。
僕たちは了承し、その意を伝えると、
ララミィは喜んでいた。
さらに話を続けると、
ララミィは聖女であるが、
この国で聖女は重宝されており、
王族に近い権威があるという。
中でもララミィは聖女としての能力が
高く、その実力はトップクラスであり、
“聖母“の称号を得ているようだ。
レベッカも天賦の才に恵まれ、
その力を伸ばすために、実力者である
ララミィが直接教育係として、修行をつけているようだ。
「今から私達は王宮に帰還します。
お三方も一緒に来て頂けないでしょうか」
……また王宮か
入国早々こんなことになるとは……
二人とも問題は無さそうなので
僕が了承し、僕たち五人は王宮へ向かうこととなった。




