4-8 盗賊
--次の日
今日から実家を出て僕たちはまた旅に出る
アオイとはここで一旦お別れだ。
朝ごはんもご馳走してくれるということで
食べていくことにした。
次帰るのはいつなになるか分からない
でも必ず帰ってこよう。
二人は間違いなく僕の両親であり、
僕の帰りを心から喜んでくれるのだ。
みんなで食卓を囲み、和気あいあいとした
雰囲気で朝食を楽しんだ。
そして、僕は出発の前にアオイ達に
レイラを預けることにした。
レイラは元々実家で、
仲良くなって連れて来ていたのだ。
家族も当然知っているし、仲良くしてくれるだろう。
僕たちは今から旅に出るわけでレイラに
構える時間が取れないかもしれない。
使い魔の契約も簡単に譲渡できるので、
アオイに譲渡した。
既にこの話はしていた。
「お兄様だお思って大事に育てます!」
……健気な妹だ
‐‐出発の時刻となった。
両親とアオイが外まで出迎えてくれた。
ここからしばらくは徒歩移動だ。
こんな辺鄙なところは場所も滅多に通らない。
「ありがとね!
絶対帰ってくるから!」
エナ姫、パティと共に笑顔で別れの挨拶をし、
実家を後にする。
エナ姫は王女なので
営業スマイルを見せることはあるが、
パティはまだ人に慣れていないのか
普段人前であまり笑顔を見せない。
二人も実家を気に入ってくれたようでよかった。
‐‐馬車乗り場に到着した。
まずは近隣の国、カルカムンドに向かう
カルカムンドはギルドや学園もあり、
リーベル王国と同じくらい栄えた国である。
リーベル王国はエルフとは同盟を
結んでいたようだが、基本的に中立国であり、
他の国のとは対立するわけでもなく、
同盟も結んでいない。
そのため、デュルネステス族との戦争は
王家が自ら動いていたのだ。
王族であっても個人の間で協力関係を結ぶ場合は
国家同士の同盟にはならない。
この世界では卓越したアビリティを持つ
個が一騎当千の力を発揮することがあるのだ。
中立国であり、敵対もしていないので、
門番の許可さえあればカルカムンドにも入れる。
許可を得るためには身分を証明するものが必要だが、それが冒険者になるのに必要な冒険者証である。
エナ姫はエナリオンさんだし、
パティも人間として、登録させてもらっている。
偽装ではあるが、
ギルドマスターの許可の元作っているので
罪に問われることはないし、
見つかったところで大した問題はないらしい。
‐‐馬車に乗りしばらく経つと、
気配を感じた。
何事かと、外を伺うと、
大勢の人間に囲まれていた。
恐らく盗賊だろう。
「盗賊が出たみたい
ちょっと様子みてくるから
何かあったら中のことはお願いしていい?」
「……ん」
「承知した」
馬車の中には他の乗客もいる。
馬車が壊れればカルカムンドには行けないし、
問題が起きれば面倒なので中のことは二人に任せた。
『インビジブル』をかけて、
外に出ると20名くらいの盗賊がいた。
その内の一人が馬車を引いているおじさんに話しかける。
「おい、おっさん!
今すぐにその馬車と金目のものを寄越せ!」
襲われたら厄介なので先手を取る。
『ステルス』の状態で、
すぐに『超速』で全員に手刀を叩き込み、
気絶させた。
ポカーンとしているおじさんに話しかける。
『ステルス』は解いている。
「もう、大丈夫ですよ」
「え、今なにが……?」
「賊は僕が気絶させました。
後は好きにして下さい。
準備が出来たら出発してくださいね
遅くなるとまた襲われやすくなってしまうので」
「は、はい!
ありがとうございます!」
ステルス状態で席に戻る。
馬車の中では問題は無かったようだ。
わざわざ不安にさせるのも何だし
敢えて黙っていた。
席も他からは見えないようになっている。
そのため、襲撃を知るのは僕たちと、
御者のおじさんのみのはずだ。




