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3-13 魔本


 ターゲットを倒し、

帰ろうとしていると……



 魔物の咆哮が微かに聞こえた。


 僕たちはダークサラマンダーを

倒し、気分が乗っていたので、

ついでに倒して行くことにした。


 そこにいたのは犬型の魔物だった。

数は三体だ。


 分析すると、ヘルハウンドというらしい。

アビリティは常用できそうなものでは

なかった。


 一応ハントすると、

<『ハンター』のレベルが上がりました。

魔道具グスタフに新機能が追加されます。>


!?


 久しぶりに声が聞こえた。

しかし戦闘用ではないようだ。


 今は使いどころではないので、

普通に倒そうと構えると……


「ちょっと本気出す……」

 パティがまとめて倒そうとしているようだ。


 ここは任せてみよう。


『分析』により彼女のアビリティを分析

しながら彼女の戦闘を見守る。


 パティは光属性超級魔法

【ライトニングディザスター】を唱えた。


 このとき、

【ライトニングディザスター】は

パティのアビリティである『加護』の効果を

受けたようだ。


 すると、あっという間に

魔物は消し飛んだ。


 「すげぇ……」


 少し呆気にとられたが、パティの方を見てみると

膨大な魔力を使ったはずなのにけろっとしていた。

『加護』の効果の1つであろう。



 そして、機能が増えたらしい

グスタフを出してみる。


 頭の中の声から、

グスタフを本の形で出すと

効果を発揮することが分かったので、

早速短剣等に変化させている要領で、

本の形にしてみる。


 「おっ!」


……興奮してしまった。

僕としたことが……


 パティは不思議そうにこちらを見ている。


 どうやらこの本にハントした

アビリティや魔法を保存できるようなのだ。


 早速よく使うものを書き込んでいく

念じるだけで書き込んでいけるのだ。

よく使うものは暗記してあるので、すぐに終わった。


 そしてパティに説明する。

「いや、アビリティが進化してさ

この本のおかげで

アビリティの保存が楽になったみたいなんだよね……」


「ほう!すごいではないか!

今まで頭で覚えていたものが、

その本に保存できるということだな!」


……そこまで説明してないのに何故か

理解していた。

……天才か?




 途中寄り道もあったが、

そのおかげで

パティの能力について分かるだけでなく、

大きな収穫があった。

これでハントが楽になる。


 僕たちは大いに満足して、

ギルドに帰還することとなった。



 --ギルドに到着した


 受付にはミールがいた。

早速クエストの結果を報告し、

犬の素材も渡す。


「え?ヘルハウンドも倒したの??」


 また驚かれてしまった。

そういえば今回は初クエストの

パティも連れていくのでターゲットだけ討伐して

帰ってくる予定だった。


……なんか、ごめん



 心の中で謝ると、

何か言われる前にそそくさと帰ることにした。

怒られると面倒だ。




 ギルドを出ると、

エナ姫から【念話】で話しかけられた。

この時間の【念話】は珍しい。


(今から時間ある?)

(大丈夫だよー

今クエスト終わったところだから……)

(パティスラズリさんもいるの?)

(うん!)

(丁度いいわ……一緒に王宮来てもらえる?)

(はーい)


 ということで、パティに了承を得た上で

王宮に向かった。


--王宮に到着した。

王宮の前ではマチルダさんが待ってくれていた。


 マチルダさんの案内でエナ姫の部屋に通される。


 本来は客間だが、魔族側に変に感付かれては

計画が台無しになってしまうので、

最新の注意を払っているようだ。


 客間に通す客は王宮の客として、

王宮内で手続きを踏まなければならない。



 部屋に入ると、着席を促された。

今回の話しには、パティだけでなく、

マチルダさんも参加するようだ。


 「魔族が10日後に攻めて来るみたい


だから……

私も合流できる……」


「お、やっとエナちゃんと冒険できる!

やったー!」



「ちょっと……

まだ魔族倒さなきゃだから……」

 エナ姫は真っ赤になっていた。

人前でちゃん付けはさすがに恥ずかしいようだ

久々にこのエナ姫を見た気がする

可愛いなぁ……


 エナ姫の話は続いた。


 エナ姫曰く『分析』により、

アビリティの成長方法が分かり、

その方法を実践することによって

サナ王女の『予言』がレベルアップした。


 今までは少し先の未来以外は、

偶発的にしか分からなかった。

それが、ある程度コントロールできるように

なったらしい。


 

『分析』により、アビリティの成長方法が

分かると言うのは、もちろんエナ姫の

頑張りによるものだが、

学園時代にハントのため、

アビリティを分析し続けた成果でもあるようだ。


 僕も役に立てたようで嬉しい。

 



 明日からエナ姫が合流することになり、

エナ姫の話は終わった。


 王様がパティと話があるようなので、

案内役のマチルダさんと一緒にパティは

エナ姫の部屋を出ていった。




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