3-12 ダークサラマンダー
--次の日
まずは、拠点の場所は既に聞いているので、
パティを迎えに行く。
そして、ギルドに向かった。
ギルドに着くと、
ギルドマスターのゲイブルさんがいた。
軽く挨拶を交わすと、ゲイブルさんは言った。
「二人とも着いてきてくれ」
まるで僕とパティが来ることが
分かっていたかのように2階に案内された。
「さて、王様から大体のことは聞いている
ホーリーエルフなんだってな
私も実物を見るのは初めてだ。
パティスラズリさんよろしく頼むよ」
パティには昨日王を含め、国の要人には
パティの正体について伝えると説明し、
納得してもらっている。
どうやら早速エナ姫が王様に報告し、
冒険者として活動することも伝えたので、
王様がギルドマスターにパティのことを
頼んでくれたようだ。
そういえば本来パティは学園も出ておらず、
この国の住民でもないので、
許可が得られず冒険者登録はできないはずだ。
そこをエナ姫と王様が
気を回して手筈を整えてくれていたのだ。
リーベル王国……優秀すぎでは?
「まぁパティスラズリさんについては
こちらとしても正確な実力は分からないけど、
ホーリーエルフだし、
レイ君もいるからA級で問題ないだろう。
昨日ピエロゴブリン倒したんだろ?
一応受付に適当なクエストを
紹介して貰うように頼んでおいた。」
それで良いのか……
案外雑だな……
エルフ側に配慮してのことなのか
よく分からないが僕が居れば、
パティはいきなりA級パーティーのメンバー
つまり、仮にではあるが、
A級冒険者として扱われる。
そして問題が無ければそのまま
A級冒険者として認められるようだ。
「後王からも言われててな、
ぶっちゃけほんとに来てくれるとは
思ってなかったが、来てくれた以上
リーベル王国にとって
パティスラズリさんは大事な客人だ。
レイ君なら問題ないだろうが
丁重にお守りするようにな」
適当なのか、信用してもらってるのか、
よく分からないが
やけに君なら大丈夫だろ感を
出されている気がする……
「分かりました。
ありがとうございます」
とりあえずお礼を言って、
しばらく3人で話した後、
一階に戻り、受付に向かった。
そこにはミールがいた。
「レイ君!
新しいメンバー見つかったんだって!
良かったね」
ミールが自分のことのように喜んでくれた。
そして、Aランクのクエストをいくつか紹介してくれた。
さらに、メンバーが増えたため、いくつも
同時に受けるのは危険なこと、
そもそもAランクのためどれも危険であり、
どのような危険が有るのかなど、
丁寧に説明してくれた。
まぁ確かに今回はパティの能力を把握し、
うまく連携をとることが、一番の目的なので
1つで問題ないだろう。
最後にミールは何かあったら
いつでも言うように言ってくれた。
……これは受付嬢としての言葉であるが、
以前パーティーで色々あった
僕にとっては少し、言葉の重みが違う。
……感慨深い気持ちになりつつも、
クエストに集中することにした。
今回のターゲットはダークサラマンダーだが、
まずは、パーティー恒例、会議の時間だ。
今回はお互いの能力についても
改めて、伝え合う必要がある。
エルフにもアビリティがあるようで、
僕のアビリティを伝えるとパティは驚いていた。
エルフから見ても特殊なアビリティで
あるようだ。
ホーリーエルフは基本的に無属性魔法と
光属性魔法が得意であり、
中でも治癒魔法に長けているらしい。
パティは上級よりさらに上の超級魔法を使える。
超級魔法など物語の世界のものだと考えていた。
そもそも人間にしか会ったことのない
僕のような一般人にとってはエルフだって
実在しているかどうか怪しいものだったのだ……
以前パティが治癒魔法を使っているときに、
マジックハントを使ったがハントできなかった。
どうやらあの魔法は超級魔法であり、
マジックハントは
上級までしか対応していないので、
ハントできなかったようだ。
アビリティは『加護』であり、
分析させてもらったのだが、全く理解出来なかった。
種族が違うからなのか、
理由は分からないが、
僕の『ハンター』には対応していないようだ。
ここにきて壁にぶつかったようだ……
まぁあまり気にしてもしょうがない。
そのうちハントできるようになるかもしれない。
気を取り直してダンジョンに向かった。
--目的のダンジョンに着くと、
『瞬足』で奥の階層を目指す。
『瞬足』は触れたものにも影響を与えるので、
パティと一緒に向かう。
そして、『サーチ』でダークサラマンダーの
場所を探し出した。
「見つけたよ、この奥にいる。
僕が止めとくから遠慮なくやっちゃってね」
「お、おお……
早いな……目が回りそうだ
承知した。」
作戦通り僕が前衛に周り、
『分析』してからハントする。
最近は覚えるのが大変で、
使えるアビリティが
いくつかあれば問題ないので、
ハントだけして、使わないことが増えてきた。
思い出せないと使えないので、
意味がないようだが、頭の中に保存されている感覚がある。
この内いつでも引き出せるものは
限られているが経験値にはなるので、
地道にハントは続けていた。
ダークサラマンダーに向かっていき、
グスタフを短剣にして、攻撃を捌く。
アビリティを使えばいいのだが、
今回はパティの能力がみたい。
パティもそれを承知しているようで、
弓の形をした魔道具を出し、正確に
矢を当てていく。
僕はパティが攻撃しやすいように
一旦下がった。
その瞬間【ホーリーアロー】
光魔法が弓から放たれた。
そんなことできるのか……
呆気にとられていたが、
ターゲットが絶命したので、
クエスト達成の証である素材を確保する。
後は帰還するだけだ。




