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この世がゲームである事について

 この世界では今でも各所で戦争が繰り広げられている。日本も例外ではない。最近の若者はゲームに熱中してるようだが……例えば、チームに別れて旗を取ってくるゲームだとか、拠点を制圧するゲームだとか、まあそんな所が人気のようだ。笑ってしまうだろう?


 人間なんて時代が変わってもやってる事は一緒だ。現実が非現実に移行しただけで、他者を憎む精神は何ら変わってはいない。仲間を大切にするなんて、そんな事ヤクザでもそうしてる。味方も敵も、利益上の関係でしかないのだ。サルトルが「地獄とは他者である」と言ったのにも頷ける。


 さて、そんな世界で生き残る簡単なゲームがある。

 

 え、またゲームの話かって?そう言うな。人生なんてゲームみたいなもんだろう?君は意外と真面目なんだな。


 このゲームは簡単。人生の先を考えずに、ただぶっ倒れるまで自分を表現し続けるんだ。ぶっ倒れると言ってもフカフカの布団の上でいい。絵が好きならひたすらに、途切れる事なく絵を描き続けるんだ。


 この絵は下手だとか、才能がないとか、何も描くものがないとか、一切考えない。描いて描いて描きまくる。

 絵が駄目なら文字でもいい。文字が駄目ならただの線でいい。描いて描いて書いて書いてかきまくる。


 次にどんな線が描かれるのか、わくわくしながら書け。二つと同じものを書くな。成長を実感しつつ、工夫しながら書き続けるのだ。


 するとどうなると思う?この争いばかりの社会に巻き込まれる余地がなくなるのだよ。権力も何も関係ない新人類が生まれるのだ。

 それが芸術が目指した人間性の理想なのだよ。衆人はこの秘密を知らないが、我々は知っている。知っているなら、理想の為に全ての物事がその秘密を明かしてくれるまで、全力でぶつかっていくべきなのだ。


「それは本当ですか」


 私の話を聞いていた生徒が問うてきた。


「本当だとも」


 そう言うと、生徒は意気揚々と帰っていった。


 正直言うとこれはただのハッタリなのだが、彼がやる気になったら、それが一番楽しいゲームではないかね。

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