2/34
そんなバナナ!
その事件は閑静なマンションが立ち並ぶ住宅街で起こった。
団地妻が頭から血を流して倒れていたのだ。
そのそばにはキンキンに冷えたバナナ。
バナナには血がベットリついていた。
「バナナが凶器か…」
「バナナが凶器なんて、そんなバ」
「その先を言ったら殺すぞ新入り」
ゆとりのある新米も、鬼上司に殺すと言われたら黙らざるを得ない。
あまりにもふざけた事件に、取っ掛かりを求める事すら放棄した刑事と新米は食事がてら、事件現場の近くの居酒屋に向かう事にした。
「らっしゃあせー!」
「やっしゃっしゃーせー!」
店員の元気のいい声が響く。
「やっっしゃあせ!二名様ですか?」
「そうだ」
「やっしゃっしゃああ!こちらへどうぞ」
席に着く二人。
「生二つと唐揚げね」
「あい、よろこんで!」
充分に酔いが回った頃、待望の唐揚げが運ばれてくる。
「唐揚げにレモンかける奴ぁ最低だよなぁ」
「あれ?先輩、このレモン凍ってますよ?」
「まさか。果物凍らせてどうするんだよ」
「どうするってそりゃあ…」
ハっとした二人。
「犯人はこの居酒屋の関係者だぁー!」
「そんなバナナ!」
そうだった。完




