脇役だらけの漂流教室
今僕らの教室は漂流している。
英語で表現する所の「TSUNAMI」に流されているのだ。
工事のおじさんが頑張ってくれたおかげで、外壁にわずかの損傷も許す事なく、キレーに流されている。
どうせなら土台の部分も頑張って欲しかったが、わがままは言うまい。
いびきをかいて寝ているカバオ君を除いて、僕らはみんな怯えていた。
ここで死ぬかもしれないから正直に話すと、僕はもっと華やかな学校を望んでいた。幼なじみ、生意気な女の子、無口な女の子、巨乳アイドルなど、ヒロインに囲まれたハーレム生活が送りたかった。
なのになんだよここは!モブキャラしかいないじゃないか!モブキャラだけを集めた学校なんて何が面白いんだ!
デキスギ君からカバオ君まで、どこかで見たことはあるが大して物語に絡んでこないモブキャラとどう盛り上げていけばいいんだ!
などと思っていると、クラスを仕切っているデキスギ君がおもむろにつぶやき始めた。
「どうしよう。この状況を乗り切るには………ダメだ!何も思い浮かばない!」
「そりゃそうだよデキスギ君。君はモブなんだから物語における解決能力は無いよ」
「僕はモブじゃない、準レギュラーだよ!」
デキスギ君の怒号で起き上がるカバオ君。
「ムニャムニャ…ん?何だ。教室が流されているのか。ふーん。もっかいねよ」
カバオ君!自由すぎるよ!
その時、教室が何かに激突した。
轟音と共にカバオ君が再び目を覚まし、大騒ぎを始めた。
「うわー!アンパ○マーン!助けてぇー!」
呼んだって来るわけないでしょカバオ君。
そう思った矢先、本当にあのヒーロー(に似た何か)がやって来た!
「大丈夫かい!みんな!」
「アンパンマ○!」
カバオ君に笑顔が戻る。
「僕が来たからにはもう大丈夫だよ!」
初めて見る生物に一瞬当惑したデキスギ君だったが、すぐに何かを閃いたような顔をした。
「節約すれば1日はもつな………よし、このアンパンを計算してみんなで均等に分けよう!」
助けが来るまでおいしく頂きました。終わり




