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呪いをかけた呪師は、孤独な悪女に執着する  作者: こさか りね


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2

あれからエドガーは、休みの日には必ず私に会いに来てくれる。


17歳で私と2歳しか変わらないけれど、見た目が幼いので弟のように感じてしまうわ。


エドガーは『男として見てほしい』って言うけれど、それはちょっと無理よね。

・・・だって私、子供に興味ないもの。


でも、エドガーの事は可愛いと思っているのよ。

だから、会いに来てくれるのをいつも楽しみに待っているの。


・・・だって、私に会いに来てくれるのは、彼しかいないからね。


さぁ、そろそろエドガーが来る時間だわ。


そう思い、メイドにお茶の準備をさせる。


とその時、執事がやって来た。


「お嬢様、お客様です」


「ええ、通してちょうだい」


そう伝え、お茶をする時の定位置に座る。


そして、ドアがノックされ入って来たのはアレクシスだった。


「お茶の準備をして待っているなんて。

そんなに、俺に会いたかったのか?」


折角の楽しい気持ちに水を差されて心が冷える。


「どの面下げてここに来たの?」


「何を言ってるんだ?

お前こそ、俺と会えて嬉しいだろう?」


そう、にこやかに告げるアレクシス。

そんな訳の分からない言い分に背筋が凍った。

嫌な動悸がして言葉が出ない。


アレクシスは私の前に座り、用意されていたお茶を一口飲んだ。


「・・・。

それは貴方のお茶じゃないわ」


そう言うと、アレクシスの瞳孔が開いた。


「・・・男か?」


怖い・・・。

一体、何があったの?


「・・・ええ、そうよ。

お客様が来るの。

だからもう帰って」


「なんだと?

お前は、俺の事を愛してるって言った事を忘れたのか?」


・・・完全に常軌を逸している。

私はマズイと思い、ベルを鳴らそうとしたその時。


「ベアトリス、来たよ!」

とエドガーが入って来た。


にこやかだったエドガーがアレクシスに目を留めると、眉を寄せた。


けれどそれは、アレクシスも同じだった。

だが、エドガーをまじまじと見たアレクシスは、鼻で笑ったのである。


「なんだ、子供じゃないか。

お前は子供になんか興味ないもんな。

・・・男だなんて、焦らせるなよ」


アレクシスはそう言って、またお茶を一口飲み、立ち上がった。


「じゃあ、俺の用件は終わったから帰るな。

また、会いに来る」


そう言い残し、エドガーの横をすり抜けて帰って行った。


アレクシスが退出していった後の部屋には沈黙が満ちている。


私は気を取り直し『エドガー、いらっしゃい』とにこやかに迎えた。


エドガーは未だに、眉を寄せたままだった。

そして、不機嫌そうに口を開く。


「ねえ、なんで奴がいるの?

・・・終わったんじゃなかった?」


私はエドガーに席へと座るように伝えた。


すると、アレクシスが座っていた場所は嫌だと言い、私の隣に座ったのだ。


そして、言いづらそうに口を開いた。


「じゃあさ、悪いと思っているのなら、膝枕して?」


・・・何かと思ったら、そんなこと?


私は笑顔で自分の膝を叩き『どうぞ』と答えた。

エドガーは、まさか了承されるとは思っていなかったのだろう。

ドギマギしていたが、ゆっくりと横になり私の膝に頭を乗せた。


柔らかそうな金色の髪を優しく撫でてやると、猫のように茶色の瞳を細めて喜んでいる。


ふふっ。

とっても可愛いわ。


そう思っていたら、エドガーが向きを変え、私の膝に顔をグリグリ押し付けてきた。


「ねぇ、分かってる?僕はこう見えても、もう17なんだよ」


「そうね。もちろん、知っているわよ」


「それに、あと少しで18だ」


では、こんなに可愛いエドガーと一緒に居られるのも、あと少しなのね。

・・・とても寂しいわ。


私が、頬に手を当てて悩ましげな顔をすると、ムッとしたエドガーが私の腰に手を回して抱きついた。


そして『僕は子供じゃない』と拗ねた声で言う。


・・・ああ、どうしよう。

胸が苦しくなるぐらいに、可愛くて愛おしい。


アレクシスにも感じた事のない、想いが込み上げてくる。


・・・私、今とても心が満たされているわ。


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