32 パパのお迎えっ♪
「にぃに!!お出かけ!!パパのお迎え!!」
「待って。優帽子は?」
「持ったよ!!」
「水筒は?」
「持ってる!!ママがオレンジジュース入れてくれた」
「吸入器と薬は?」
「あ…」
「…取りに戻りなさい」
「はぁい…」
僕は家に戻ってねぇねにカバンを貰った。
「この中におやつと薬と吸入器入ってるから。あともしもの時のテレフォンカードとうちの連絡先を書いた紙。迷子になったらこれを見せるのよ?分かった?」
「うん。でもボク迷子になんてならないよ?空港に行くだけだしにぃにもいるし」
僕はカバンを掛けてにぃにの元へ向かった。
「お待たせ!!」
「じゃあ行こうか」
僕はにぃにと手を繋いだ。
「ふふ〜ん♪にぃにとおっでかけ〜♪」
「バスで行くだけだよ。…優、ごめんけどこのスピードだとバスの時間にも父さんの飛行機が着く時間にも間に合わないよ。…抱っこしていい?」
「にぃにの抱っこ!!」
僕はすぐににぃにに飛びついた。
「…おんぶの方がいいな。腰で止めるやつにしといて良かった」
「じゃあおんぶ」
にぃには1回僕を下ろすと背中に背負い直した。
「…優も重くなったね。今何キロ?」
「ん〜忘れた」
「でも余計な脂肪はついてないし…筋肉もついてないけどまぁそれは仕方ないか」
「ふにふにしないでぇ…」
「ごめんごめん」
にぃにはバス停までずーっと僕をおんぶしていった。
「よいしょ…優。カードかざして」
「にぃに。見えない」
「ふふ」
にぃには僕を少しだけ上げ、自分でやらせてくれた。
「あ…席1個しか空いてない…」
「優。座りな」
「やっ!!」
「…じゃあこうしようか」
にぃには僕を膝に乗せて席に座った。
「にぃに重くない?」
「全然。5つ目のバス停で降りるからね。『✕○空港前』ってとこで」
「覚えた!!」
「あとバスの中ではしーだよ」
「…わかったっ」
僕はわくわくしながら5つ目のバス停を待った。
「あ、飛行機!!パパが乗ってるかな」
僕は窓にかじりついて空に見えた飛行機を見上げた。
「…あれは時間的に違うんじゃないかな。ちゃんと優との約束守って国内の仕事にしてるようだし」
「にぃに飛行機の道わかるの?」
「分からないよ?父さんから聞いてるだけ」
「にぃにだけずるい。ボクもパパとお仕事のお話したい」
「優が寝てる時だったから。…最近の父さんは残業ばかりのようだし。…法律的に大丈夫なのかな」
「ほーりつ?」
「優は覚えなくていいよ。みんなが知ってる常識的なところだけ勉強しようね」
「うん!!」




