↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら屋敷が燃えていました。わたしのせいらしいです  作者: 虹色日和


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/32

傷つけるなよ!

そして翌朝。


「……そんな……なんで?」


昨日整えた花壇は無残に荒らされ、ところどころに昨日の紫の花びらが落ちていた。

そして隣のジャガイモ畑は、なぜかそこだけピカピカに整えられている。


そこに、ちょうど昨日の老婦人が家の前を通りがかった。

「あら。2人とも、おはよう。お家ここだったのね!」


「そういえば、昨日のお花......」

そこまで言いかけた老婦人の顔からすっと笑顔が消えた。


「あの!これは……その……私もなんだかわからなくて。朝起きたらこうなってしまっていて。」


「そうなの?そう。そうなのね......」

「昨日は……その、普通に見えたんだけどねぇ。残念だわ」


「違うんです!……お花は本当にうれしくて、花壇を荒らしたのは私ではないんです!」

「いいのよ……大丈夫だから」


『大丈夫』といいながら、その表情がすべてを語っていた。


昨日少しだけ回復したと思った評判、

それがまた、たった一晩で崩れようとしている。


「……やっぱり王女様だものね」

「ごめんなさい。なんでもないわ」


老婦人は、そのまま気まずそうに去っていった。


オリヴィアは、その背中を見つめたまま俯き、寂しそうに呟く。


「……仕方ない、よね」

「何が?」


「私が疑われるのは」

「なんで?」


「だって、昨日まであんな噂があって……」

「だからってこれ、お前がやったのか?」


「……やってない」

「じゃあ、おかしいだろ」


「昨日あんなに嬉しそうに花植えてたじゃん」

「でも……」


「でも、じゃない」


ザックは荒らされた庭を見回した。


「誰かがやったんだろ?」

「じゃあ、ちゃんと調べようぜ!」


「調べる?」

「おう!」


「誰がやったのか分からないのに、お前がやったことになるのはおかしいだろ!?」


オリヴィアの目がじんわりと熱を持つ。

昨日までなら、誰も自分の言葉を信じてくれなかった。


けれどザックは、最初から疑ってすらいない。


「……ありがとう」


その時、家の中から銀色の丸い球体がふわりと飛んできた


「報告があります」

「ロボ丸?」


「昨夜、庭への侵入者を確認しています」


「え!?……あなた、見てたの!?」

「はい、侵入者は一名。花を掘り起こしているのを確認」


「それ、なんでさっき言わないの!?」

「で!犯人はわかるのか!?」


ザックが身を乗り出してロボ丸に確認する

すると、ロボ丸の目が光り、目の前に映像が映し出される。


そこには、黒い服に顔を隠した人物が、無駄のない動きで庭に入り込んでいた。


気配を完全に殺し、死角を利用しながら素早く庭に近づき苗を掘り起こしている。


「手慣れてるな……」


「はい。侵入者は高度な訓練を受けているもよう」

「ですが、ご安心ください。王国最新鋭のロボットである私ロボ丸が、解析。人物を特定いたします!」


映像はまだ続いていた


黒装束の男が、胸元から何か取り出す。


「何してるの?」

「証拠隠滅か?」


「あれ、人形かしら?なんだかザックに似ているような......」


男は、迷いのない手つきで人形を高く天に掲げると、続いて

【ザックの畑】と書かれたジャガイモ畑の前で祈りのポーズを始め........


そして丁寧に丁寧に、ジャガイモ畑の手入れを始めた。


「......ルシウスだな」

ザックは迷いのない声で断言する。


「ルシウス?誰?あなたの知り合いなの?」

「あぁ!いっつもこんな感じでさ。変なやつだろ!?」


「俺が軍で一番信頼してるやつなんだよ!頭いいんだ!」

「これ見た感じ、一番信用したらダメな気がするんだけど......」


その横ではロボ丸がまだ解析を続けている


「解析しています......


歩幅・骨格のスキャン完了

護衛対象者周辺の人物との過去データ照合開始......


解析完了


一致率99.8%


対象者は――ルシウス・シャルディエル様です」


「おう!映像見てすぐ分かったぜ!」

「ありがとうな!ロボ丸!」



そして、その後。


何食わぬ顔で日課の「朝の挨拶」にやってきたルシウスは、玄関先であっさりとザックに捕まった。


「よぉ、ルシウス」

「おはようございます、閣下。本日も――」


「ちょっとこっち来い」

「はい?」


そのまま腕を掴まれ、リビングへ連行される。


「……閣下?」


「座れ」

「はい」


そこにロボ丸がふわっと近寄りロープが飛び出す。

「犯人の捕縛を完了しました」


「で、お前がやったのか」

「どれのことです?」


屋敷跡地での聞き取り調査。街での情報工作。深夜の花壇のお手入れ。

昨日だけでもルシウスには思い当たることがいくつもあった。


「とぼけるなよ、花壇のことだ!」


ロボ丸が映像を映し出すと、ルシウスはあっさりとうなずいた。


「あぁ、それですか。えぇ、私です」

「おぉ……認めるの早ぇな」


「なんですかこの丸い物体は。人間相手なら完璧だったはずが......

まさかこのようなものまで配備されているとは。想定外です」


「いや、そこ感心するとこじゃねぇだろ」

「で、なんでこんなことしたんだよ、お前!?」


「閣下をお救いするためです」

「……あぁ?」


「帝国の事件は閣下もご存じなのでしょう?スラム育ちを蔑む人間です。閣下を傷つけるに決まっている!」

「そんな女性は、閣下の夫人にふさわしくない!」


「ですから、あの花壇を荒らせば街の者たちも再び王女殿下への警戒を強め、この街に居づらくなる!閣下が不幸になる前に、あの女を追い出すために、私は!!」


「いや、待て待て」

「お前、なんでそうなるんだよ!?」


「……なんでとは?」

「俺もわからねーよ!?なんで花壇荒らしたら追い出すことになるんだよ!?」


「街に居づらくなればいいのです!その女は危険です。昨日は屋敷を燃やす前、閣下を思い切り侮辱していたことも確認済みです!」


「だからって、傷つけていいわけないだろう!」

「誰も傷けてはいません!花を別の場所へ移動させただけです。」


「傷ついてるんだよ!」

「……?」


「傷ついてたよ、オリヴィアが!」

「……閣下?」


「あいつがどんな顔してたか知ってるか?」

「初めて街の人から花をもらって、すげぇ嬉しそうにしてたんだぞ!?」


「それを、お前は勝手に抜いたんだ!」


ザックの強い叱責に、ルシウスは少し顔を背けて口をつぐんだ


「……ルシウス。何やってんだよ、お前......」


「……申し訳、ありませんでした」

「閣下の御意向を無視した行動でした」


「そうだな」

「今後、閣下の”意思に反する行動は”慎みます」


「……頼むぞ」

「はい」


しばらくして顔を上げたルシウスの目が、

オリヴィアを見ていた。


――全然納得している目ではなかった。

前任オリヴィア

「居辛くなって私が出ていく??そんなわけないじゃない!」

「みんなが出ていけばいいのよ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。