85話、この精霊、やけに俗っぽい
「名前を付けるの良いね、ん?なんか言いたい事があるみたい」
「闇魔法、可視」
「私に名前を付けないで下さい」
闇の精霊が明らかに嫌な顔をしながら明確に拒絶した、なぜだ
理由を聞いてみるか
「理由は?」
「私も聞いた事が無かった」
俺とミアの言葉を聞いて呆れるようなポーズをとりやがった
「私という存在が確立されてしまうからです」
「それはダメな事なのか?」
存在が確定されるのが嫌なのか、俺にはわからないな
「ダメです、セレン様に怒られますし困ります」
あっ...理由はわからないがセレンが困るのかぁ...そっかぁ...
「セレンが困るの?」
ミアが確認を取った時に見えた、ミアは
嗤っていた
「はい!だからやめ...」
「あの、お二人ともなぜそのような顔を?」
闇の精霊が俺たちを見た瞬間に固まった
なぜか、俺も口角が上がってるが
ミアもなかなか良い顔してる
「私たち、ねぇ」
「散々セレンには弄ばれたし、嘘つかれて恥ずかしい目にもあったし」
あれ、ミアはそうだがセレンに関しては俺が原因の記憶しかないぞ?
よし、スルーして名前を付けてやろう。
「つけるか、名前」
「そうね、何が良い?」
「私の話を聞いてましたか!?」
見た事無いぐらいに焦っている闇の精霊を無視してミアが俺に笑いながら案を出してきた
「私のことを散々茶化してくれたから羽虫とかどう?」
「やめてください!せめて可愛い名前に!」
闇の精霊が本当に嫌な顔をしながら叫んだが、それは悪手だ
「あっ...」
今更気づいても残念だったな、闇の精霊よ。お前はもう逃げれない
「可愛い名前が良いんだな、希望に沿わせてあげないとね」
「そうね、冗談のつもりだったんだけど可愛い名前が良いならそうしたいわね」
ミアと笑いながら言うが闇の精霊だけ更に焦ってるのがわかるくらい慌ててる
「なんでお二人ともそんなにノリノリなのですか!?」
「鬱憤ばらしかな?」
「近いかも」
ミアの言葉に同意したら闇の精霊が絶望の顔になったのがわかる、わかりやすいなぁ
「私、鬱憤ばらしで名前つけられるの...?」
がっくししながら闇の精霊がゆっくりと地面に落ちた。両手を付いてるのが哀愁があって可愛い
「可愛い名前かも知れないが、思いついた」
「アリスってどう?ミアリスとアキのアを混ぜてアリス」
「ほぼ私じゃない」
可愛いからいいだろ、ミアも悪くないって顔してるし
「でも、俺もいるだろ?」
「そうね、どう?アリス」
「いや、嬉しいですが」
諦めたように俺たちの視線まで飛んでいた闇の精霊が言ったらバングルと闇の精霊が光った
「しまっ!あぁぁぁ!私の存在が固定されちゃった...」
見た目はあまり変わらないが、なぜかおちついた雰囲気を纏う精霊になったのに
「私は、バングルの守護する精霊アリスになりました。闇の精霊じゃなくてバングルの精霊になりましたよ!」
色々台無しだな?ミアや俺にドラミングしてくるし
「私、バングルの適合者としか対等に喋れなくなったじゃないですか!」
「どうしてくれるんですか!?」
アリスの悲鳴が止まらないし、俺たちの間を行ったり来たりしてドラミングをする姿を見て俺たちは笑ってしまう、可愛いなこれ
「何が問題なの?」
「守護者は変更できないの!私は、最上級のバングルの守護者になったから闇の精霊の中でも最上級の精霊になっちゃったの!」
「もうバングルから離れれないのですよ!?」
つまり、バングルが家になったって事か?
「私の座右の銘はひっそり恋路を応援だったのに...」
項垂れるアリスをミアが手のひらで拾い上げて
「改めてよろしくね、アリス」
優しい笑顔で挨拶をすると
「よろしくです...」
諦めたように、挨拶をしたアリスだが気になった
闇の剣も確か意識あるよな、俺の精神世界で助けてくれたしな
「んー、仲間はずれも嫌だし闇の剣に宿った子にも名前つけたいよね」
「そうだね、なんて名前にする?」
「男の子っぽいかな?」
闇の剣も震えてるし、嬉しいのかな?
「はい、今喜んで震えてますよ。それに男の子の姿してます」
アリスが嬉しそうに答えたらまた激しく震えたな、アリスの言う通り嬉しいのか
「バングルがアリスなら、アキリスとかは?」
「いいね、男の子っぽい」
お、闇の剣が光った
「あはははは!ざまーみろ!嫌がろうと私の手にかかればあんたも道連れよ!?」
凄い震えてる闇の剣を指差しながら腹を抱えながら笑うアリス、なんだろ...すっごく俗っぽいな
「アキリスの声は、俺たちには聞こえないよな」
「はい、基本的にアキリスの声は私しか聞こえませんから」
「私達は姿を作るのに力を使うので武具の中で寝てるのが大半ですし、基本はアキリスみたいに声は出せないのですよ」
「私も闇の力が強くないとバングルから出れませんし、何度も都合よくは出れませんからね」
そうなのか、だから船の上や剣が銀色の時は出れなかったのか
名前も決まったし、立ち止まった足を進めよう
「よし、ミア...行こうか。アリスにアキリスもな」
「うん、行こう」
「聞かれても私達に、拒否権はありません..」
同意したミアと対照的にがっくりしながら着いてくるアリスには申し訳ないが
新しい、仲間ができた気がして嬉しいな
アキリス、お前もだぞ?なんて考えたら
タイミングよく震えた




