76話、俺が守る、愛してる
「あ、アキ!?」
座ったミアリスしかいない真っ白な空間に来た
抱きしめたいが我慢だ
ミアリスは立ち上がってこちらを拒絶する
「来ないで...」
「俺は今、その言葉を聞く気はない」
近づくたびにミアリスが後退りをするがそれ以上の速度で歩き、前に立った
右手を上に振りかざすと、ミアリスは殴られると思ったのか身構えて目を瞑った
頭をそのままヨシヨシしてミアリスを引き寄せた
「馬鹿、何してるんだよ」
「私..人を殺しちゃったの」
顔は見えない、だが声が震えてる
「それに、アキまで殺しかけた」
「殺そうとした女の横なんて嫌でしょ?」
胸の中でミアリスが震えてる
両手で抱きしめて、一定のテンポで叩く
「あの時、抵抗したんじゃないのか?」
「必死に抵抗したよ、けど身体は言うことを聞かなくてアキを刺した手の感覚が残ってる」
「それさ、多分抵抗できてたぞ」
俺の推測通りなら、涙の意味がわかった気がする
「え?」
「だって、乗っ取った魂がその気なら」
「崖上で消し炭にされてる」
「あの瞬間、乗っ取った奴は崖に落とすしか無かったんだよ」
「あの時は、言うのは恥ずかしいが愛が勝ったんじゃないかな」
「たしかに、言われてみたらそうなのかも」
「でも、私の声であなたを傷つけた!」
胸で叫ぶミアリスを壊れない様に優しく撫でて言ってやらないとな
「別の魂の声だ、俺は気にもしてない」
「他にも私はドライフルーツを渡した子供を燃やし殺した」
「あれはな、ゾンビになったのはミアリスのせいじゃない」
ミアリス、君のせいじゃないんだよ
俺のせいだから
「ミアじゃないんだ...」
「ミアは、君を救うまでは言わないと決めてるから」
「そっか」
ため息をつかれたが、ちゃんと説明しないとな
「話を戻すが、あれは俺のせいだ」
「あの時、妊婦を助けるか子供を助けるかの2択だった」
「おれが、妊婦を選んだ結果だ」
「なんで妊婦さんを選んだの?」
「妊婦に...未来のミアリスを見た」
「子供に、過去の俺を見た」
「未来を選んだ、俺のエゴだ」
「ミアリスが気にすることじゃない」
「でも、シンアを殺した私はアキの横にいる資格はない」
「1人、だろ?」
「俺は、100人以上殺したし」
「まだ、終わってない」
ミアリスを両手で優しく離したあと、ミアリスはキョトンとしていた
「終わってない?」
「うん、今から俺が見つけた話をするね」
二人で座って、俺が見てきた事を話す
俺が施設で戦った際に、五冊の本の話をした
最初は俺の話を聞いていたが
ミアリスは自分が利用されたのを知ったら顔は怒りや悲しみ、色々な顔をしていたが最後は落胆した
「私、なんで感情魔法を使えるんだろ」
「狙われるくらいなら、要らないのに」
「俺は、ミアリスの感情を否定したく無い」
大好きな人を否定したくない、その感情もひっくるめて大好きなんだ
「確かに、感情魔法を使わないようにしたら感情を殺さないといけないわね」
「でも、またあいつらが来たら」
ミアリスをまた抱きしめて耳元で呟く、彼女の前で着飾るな
「ミアリス、俺はミアリスの全てがだいす..いや、愛してる」
「あいつらからも、守りたい」
「守らせてくれるか?」
抱きしめを解いたミアリスが少し顔赤いまま俺に問いかけてきた
「ずるくない?また、私が乗っ取られたらどうするの?ダグスの忠告も忘れてた女よ?」
「その時は...俺は聞かないをやらない」
全て、聞かないが優しさと思ってたが違うから
俺は変わる
「え?」
「意地でも何があったか聞いてやる」
「今回は、俺が聞かなかったからこうなったんだよ」
「ミアリス、君のせいだけじゃない」
「...何かあったら助けてくれる?」
不安そうにみるな
もう、その未来は来ないよう頑張るよ
「言ったはずだよ、守るって」
「守るし助ける、だが」
「俺に、その資格があるのか?」
「これだけ言っておきながら今更!?」
そりゃ、そういう顔になるよな
俺でもそうなる、けど両手を見たら切った人の血が滲み出て来てるようにみえるんだ
「だって、俺は100人以上も人を殺したんだぞ」
「私だって、人を殺しちゃったんだよ?」
「100人以上殺して咎められたら、私も一緒にアキが堕ちるなら堕ちる」
ミアリスの目は、見た事ない
真っ白な目をしていた、純白を表しているようだった
全く、俺の悪い所がまたでたな。
抱きしめ、胸にミアリスを押し当てた
「悪いところがでたな、俺は自分の精神世界でも似たような事言ってミアリスが言って欲しい事を言ってくれたよな」
「あったね、最近の話なのに懐かしいよ」
「ミアリス、守らせてくれるか?」
「うん、どれだけ傷ついても私が絶対助けるから」
「言ったな?」
さぁ、悪い俺が顔を出してる
言わないといけない事を言うか
「え?」
「早く起きたくなる出来事があるんだが聞きたい?」
「凄く、嫌な予感がするけど聞いてみる」
ミアが少し怯えた、だよな、俺は聞いたら多分倒れる
「実はな、リ・アフィールには代償があるんだ」
「ダークナイトじゃないんだ」
「ダークナイトは闇に囚われたままになるから再接続の騎士って意味で付けてくれたんだ」
あれ?セレンの奴、こうなるのがわかってたな!?
じゃなきゃ、俺がこんな名前つけないよな!?
やられた...
「で、リ・アフ..代償って?」
「今、現実だと死にかけてる」
「は?」
あ、ミアが固まった
「大量の、100人以上からの切り傷や刺し傷、炎による火傷と出血多量にシンアによる酸のお返しで体に穴が空いた箇所がある」
「 」
「助けてくれるんだろ?」
絶句して、我にかえったな
「いや、そんな傷を治した事ないよ?」
まー、俺の命はミアリスに任せるし
「セレンはミアリス次第でなんとかなるって知ってるみたいだから聞いてみると良いよ」
「ちなみに今セレンが延命中」
「頑張って早く起きないと、俺死ぬからな?」
なんとかなるだろ
「あぁぁ!もぅ!急すぎるわよ!」
「もう起きたくなっただろ?」
泣いたり笑ったり怒ったり感情が台風になってる
「なったわよ!馬鹿!馬鹿馬鹿馬鹿!!!」
しっかり魂の状態でも胸の中で叩かれると痛いな
なぜか、笑ってしまう
「そんな馬鹿に惚れたのは?」
「私よ!貴方を愛してるんだから!」
「俺も、愛してる」
「絶対、死なせないから」
「うん、向こうで話そう」
そう言った後に、ミアリスにキスをした
「うん、絶対に絶対に助けるから!」
「言い忘れてた」
「ん?」
「俺、魂を見る代償で右目は失明するからそこは気にしないでな」
「最後に何言ってくれてるの!?」
「んじゃ、戻るわ」
「待ちなさい!まだ話は」
「話してる暇があるなら治した方が良いかもな」
「アキが言う!?」
「んじゃ、俺を元に戻してくれ!」
叫ぶと、意識が削れるのがわかる
「言い訳は向こうで聞く!」
「治ったら絶対叩くからね!」
俺は、焦りながらも俺を見るミアリスに安心して
意識が無くなった




