74話、血まみれの再接続の騎士vs憎悪と魔法使い
砦の中に入り、奥に歩くと大きな扉があった
セレンが指を指してわかった、ここにミアリスとシンアがいる
「ここか、この中にミアリスが...」
「はい、準備はできましたか?」
セレン、愚問だぞ
「出来てなかったら、来ていない」
「そうですね、私は隠れておきます」
「死神、代償を渡す」
「力を、よこせ」
「わかりました、闇魔法、魂観」
目が熱い、これで良いってことか
「闇魔法、不可視。あとはご武運を」
扉を開けるとまるで祭壇のような場所に出た
祭壇というよりかは式場と混じったような異様な空間
シンアは純白の服にペンダントの模様を金刺繍に
ミアリスは純白の服、まるで結婚衣装でこちらを見ている
まるで結婚式だが、シンアはレイピアと闇の剣
ミアリスはショートブレイドとワンドを腰に付けていて異様だった
闇のバングルは、ちゃんとミアリスに着いているな
奴らの、魂が見える
ミアリスには二つの魂、白と、赤い魂で白い魂はシンアに向かって繋がっている
赤い魂は白い魂に押し潰されそうだ、多分あれがミアリスか?
「君がダークナイトか、名前通りの相応しい格好だな」
血まみれだからな、俺は
だが、今の俺はダークナイトではなく
リ・アフィールだ
黙っていたらシンアが重ねて聞いて来た
「お前の従者は何処だ?」
「何処だろうな?」
俺も知らないしな
「何故にここに来た?」
決まってるだろ
「お前たちを殺すため」
ここまで来た
「私たちを殺せるの?」
愚問だぞ、今答えを出したぞ
「あぁ、殺す」
ミアリスの左目が銀から一瞬金色になった?
「行くぞ」
剣を抜くとシンアが笑い出した
「まさか、濡れ血の剣か!?渡した奴はよっぽど人を殺させたかったんだな!」
「俺が望んだ結果だ」
「うるさいから死んで」
ミアリスから炎がきた、熱い。
だが大丈夫だ、死なないから痛いだけだ
「何故、お前は何も燃えていない!」
「俺が殺した奴ら全員とお前ら二人を殺すまで」
「俺は止まらない」
「なるほど、ミアは下がっていろ」
ミアと、コイツは呼ぶのか
退がるミアリスを見てると何故か頭に血が昇る感覚になった
「闇の魔法かもしれない、もしかしたらこいつが役立つ」
左手に、あれは闇の剣か?
いや、違う
闇の剣はもっと、黒い刀身だった
今のあの剣は、黒と言うには禍々しすぎる
「輪廻の剣を知っているのか?だが俺が持つと憎悪の剣になるんだよな」
「さぁ、お前は本当に不死か?」
奴は間合いを詰めて来た、濡れ血の剣で弾く
次の手で酸を溜めて剣を折る!
なんだと
折れない、酸のついた剣で弾いてるのに?
しかもショートブレイドじゃ気づかなかったが
レイピアなのに振り下ろしが重たい!
「なぜ折れないか、って顔をしてるね」
「これはタンタルアで出来た剣だからだよ!」
タンタルア
確か伝説に近い鉱石で、酸と耐熱に強く
重さは鉄の倍はある金属か、くそ!
なら酸を身体に飛ばして溶かす!
剣を振り、赤い酸を飛ばした
だが、奴は避けないどころか何もしない
「酸を飛ばしたからって、表面に付かなければ同じ事だよ」
当たった酸が奴の覆ってた水に止められたのか
って事は、水魔法使いの魔法剣士ってやつか
奴のレイピアの剣先に酸が集まってる、まずい!
「ほら、お返しだ!」
剣を振った奴の先から血の雨が降る
濡れ血の剣で弾くが、防ぎきれずに身体に当たる
熱い、痛い、こんな物をあいつらに振り回してたのか!
良い機会だ、奴らの苦しみも覚えろ
片肘を付いたが、痛みはすぐに引いたから立ち上がるとシンアが嫌な笑い方をした
「ミア、こいつ痛みは感じるぞ!燃やしまくれ!」
思わず距離をとると、ミアリスは見た事ない
最悪な笑い方をしていた
「そうなの?なら燃やすね!」
こちらに炎が飛んできて避けるがクソ!飛んで避けたら避けきれず右足が燃えた!
「あははは!燃やせなくて不満だったの!」
「あの斥候みたいに無様に足掻いて私に殺されろ」
「そうしたらサイッコーに気分が良いんだ!」
やはり、コイツは
ミアリスじゃない
「俺を忘れてもらったら困るね」
「ぐっ、クソ!」
レイピアで剣で振り弾くが、大振りになり過ぎた
シンアが憎悪の剣で右腕に切り掛かって来た
避けられない!憎悪の剣が鎧に当たった
瞬間、鎧がその部分だけ剥げた
「なるほど、闇の鎧か」
「シン、闇の鎧って?」
「闇の鎧は闇の聖女が使う使徒みたいなものだ」
「憎悪の剣で鎧を剥ぐから、剥いだ箇所を燃やせ」
「わかった、燃やすね!」
本当に、嫌な事を考えるなこいつら!
レイピアで刺され、憎悪の剣で一部の鎧を剥がされる
視覚外から炎が来て燃やされる、熱い!
「さっき酸のかかった場所は、どうかな?」
なんとか酸のかかった場所は避けるが、状況は悪い
「あぁ、あの斥候以来の高揚感だ」
レイピアを避け、憎悪の剣を避け、攻撃をしようとしたら炎がくる
「貴様ら、斥候と言ってるがそいつの名前を知ってるのか!」
「俺は忘れたな、ミアは?」
「えーっとね、アキ?アーキ?」
ミアリスが俺が使っていたショートブレイドを持ち、とろけた顔をしてるのに
「忘れたけど、この剣で滅多刺しにして崖から落とした時はサイッコーに」
「気持ちよかった」
そう言ったミアリスの左目は
真っ青だった
何か、俺の中で切れた
なるほど
ミアリス、その左目にいるんだな?
ゆらりと立ち上がる
「とどめだ、死ね」
首にレイピアがくる、剣で弾く
レイピアは弾いたが左手の剣が俺の首元にくる、重心を左にずらした。
剣が逸れて右側の首が露出したが構わない
左手を俺の左手で掴み、濡れ血の剣で左手を切り上げた
「ぐあぁぁ!」
俺は切った左手から憎悪の剣を取ると、形が変わり闇の剣になった
「ちょっと、シンから離れなさい!」
後ろに下がろうとするシンアとミアリスに繋がる白い物を闇の剣で切った
声もなくミアリスが倒れた、だがシンアは気にしない
残った右手で剥がれた箇所を重点的に攻撃してくる、特に左の首の露出に刺してくる
避ける、守る箇所がわかると楽だ
そこさえ守ったら良い
「あは、あはは...」
「ミアリス!?」
お互いにさがり、ミアリスを見てみると立ち上がり
髪の毛が逆立つように浮かんで顔は睨むような顔で泣きながら左目が、黒の中に色々な感情が混じっている
どんどん体の中にいた白い魂がもえて殆ど赤い魂だけになった
ワンドを構えたミアリスが炎をだそうとしたのかわからない
黒いドロみたいな水とも言い難い物をこちらに飛ばして来た
シンアより先に気づいた俺はすぐに後ろに飛んだ
「なんだこれは!?」
シンアは全身に浴びた泥が固まり動けなくなったようだ、ダメだミアリス!
お前まで人殺しになってしまう!
俺がシンアに突っ込もうとしたが、突っ込めなかった
「あああああああ!」
ミアリスの悲鳴と炎が、あまりにも大きく
巻き込まれたら露出してる部分が巻き込まれて死ぬ、マズイと本能が察知してしまい止まってしまった
シンアが水の膜を作り防護壁を作っている
だが、炎が一枚一枚蒸発させていく、シンアも抵抗するが
「俺が、こんな事で死ぬわけには!」
「くそ!やめろミア!」
「私を、ミアと呼ぶなぁぁぁ!」
ミアリスの叫びと共にシンアが炎に飲まれた
シンアを巻き込んで通り過ぎたら
無事なのはレイピアと、炎が当たらなかった足だけになって、消し炭寸前の身体が俺の目の前で倒れた
意識はないようで、動きはなかった
ミアリスの方に歩いて行くと
少し震えたり、ミアリスの左目が色々な色のまま変わり続けている
中の魂は赤、よく見たら小さく白い魂が少しだけ残っていた
「お願いです、ダークナイトさん」
「私を殺してください」
「君を殺す必要はなくなった」
「なぜですか?私はこの手で、大好きな人を...愛してる人を燃やし殺してしまった」
「私に価値はありませんから」
いきなりショートブレイドを右首に突き立てたミアリスの行動に反応が遅れた、身代わり魔法効いてくれ!
「え?」
剣が弾かれたのをみて、動揺したミアリスはこちらを見て
ゴフッ
俺の首の同じ箇所から血が噴き出してるのを見て絶句した
身代わり魔法。効いてくれたか
ミアリスが死のうとした傷を俺が受けた。これがミアリスの痛みか
かなり、痛いな。
...やっぱ、俺はミアリスの事が好きなんだな
だが、思った中で最悪の展開だ
「なんでダークナイトさんから血が」
ミアの目が見開かれる
「まさか...アキ?」
頷いた瞬間、ミアの顔から色が消えた
「え、私、今度は私の手でアキを殺して」
「え、待って私は何を」
「嫌、嫌やだ私嫌だこんな事認めない」
「私がまたアキを?」
「また、もやし..ちゃった?」
ミアの目が虚ろになっていく。俺を刺した。焼いた。笛を捨てた。蹴り落とした。
それを見ていたのかわからない、だが目の前で血を流してるのを見て理解をして
「あはは」
壊れた笑いとまるで諦めたような笑いが混じった声が漏れだした
「ひどいよアキ、死なせてくれないんだ」
泣きながら言ったミアリスが白目を剥いて横に倒れ、崩れ落ちる身体をセレンが受け止めたみたいだ
空中で、ゆっくりと降りて着地したのが見えた
ミアリスの魂に小さいヒビが入っている
「闇魔法、可視」
「精神世界に行く準備はできましたか?」
「出来た、ミアの魂を修復するぞ」
「ミア、必ず助けるからな」




