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俺の呼び笛と君の呼び笛  作者: アルフレイム
闇に堕ちた魂
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67話、最低を吐いて更に底へ

「でかいな」

岩山をくり抜いたような巨大な建物が目の前にある。入り口に黒い旗が立ってる


「当たり前です、ここは一番」


「あってはいけない施設ですから」


「あってはならない施設?」

「いったらわかります」

セレンの声が、初めて怒りを含んでた


「では、隠れます。闇魔法、不可視」


見えなくなったセレンを気にせず入り口に近づくが見張りが多い。十人以上いるな


「あれは、ダークナイトだ!ダークナイトがきたぞ!」


「斬りかかれ!全員なら殺せる!」


「魂の救済のために!」


外にいた全員が切り掛かってくる、腹、首、腕、足、背中


全て刺された、痛いが


痛みに慣れて来てる俺がいるのが怖い


剣の近くにいる奴の脇腹に刺す


「なぜ、死なない...」


「これくらいじゃ、死なないんでね」

首を切る

少し怯んだ奴らが悲鳴を上げながら首を狙って来た

弾いて、首を切る

何度も切ったら、一人が奥に逃げた

追いかけると、奥から叫び声が聞こえた


「あいつらを出せ!」


何かを出す?

開けた場所に立った瞬間、空気が変わった。


前の二箇所とは違う。直感でわかる、ここは


地獄だ


「ころ、して。お願い、痛い」

声がする、奥から二足歩行のオオカミ?いや、胴体だけ人間?

考えるな


「苦しい、嫌だ」

更に後ろから泣いてる声を出しながら頭が溶けて

両手がカマキリのカマになっている奴がいて


「あ、あ、あ、あ、う?」

これは、もう声じゃない。

人の声の形をした悲鳴だ。丸い、液状の丸い物体から声がしている


「セレン、コイツらはなんだ?」

「魂の宗教がやってる事です」


怒りと、悲しみが混じった声を出してる


「彼らは、昨日の支部で殺されて魂を抜かれた後に異なる魂を混ぜられてるのです。


周りを見たら鉄格子の向こうに人がいる。人だったものがいる。身体は人間だが、目が違ったり口がちがったり関節の動きが違う。

二つの意思が一つの身体の中で戦ってるようにも見える

「人と人を混ぜてるんだよな?」

「人じゃ無い魂を混ぜてます」


「つまりあいつらは」

「はい、魂の拒絶と激痛により苦しみしかないです」


「もはや、魂は人とは呼べない形をしています」

「苦しませず、解放してあげてください」


濡れ血の剣を構える。鉄格子を切って中に入る

目が合った。二つの意識が混じった目が、俺を見てる。片方は恐怖、片方は懇願


「ころして」

「わかった」

首を一振りで飛ばすと、身体が倒れて暴れた後に動かなくなり


飛ばした顔も痛みがなくなったのか安らかな顔になった


次の鉄格子

次の鉄格子

次の鉄格子


何人解放したかわからない。濡れ血の剣の赤が濃くなっていく


「酷いな」

「えぇ、本当に」


セレンの声が震えてた。初めて聞いたな

全て、解放して奥に進む


広い部屋に出た。次は檻が並んでいるが中に子供がいる。普通の子供だ


目が生きてる


そして、檻の前に女が立ってる。子供二人の手を握って、俺たちに向かわせようとしてる


「さぁ、お母さんの言う通りにしなさい!」


「行きなさい!それが当たり前なんだから!」


母親の「当たり前」が頭に響いた。俺の母親と同じ言葉


子供達がナイフを握って走ってくる。小さい手が震えてる。やりたくないのにやらされてる


腹にナイフが刺さった。二本。小さい手の力で、精一杯刺してる


「な、何故死なない!?」

母親の声が裏返ってる


「当たり前だ、俺の痛みより」

一人は子供の目を見た、刺したことに対して怯えてる。


もう一人は俺を殺せと言われて、殺せなくて怯えてる


「刺した子供のが痛いからな」

ナイフを腹に刺したまま、母親の前に行き

後ろで子供達が尻餅をついたようだ


何故、子供の気持ちがわからない?


「貴方達、私達を助けなさい!私の子供でしょうが!」


ふざけるな、叫ぶ母親の首を横一閃で切り払うと

刺した子供達が母親に駆け寄った


「お母さん、お母さん!」

「お母さん!」

泣きながら母親に駆け寄る子供達。


泣いてるのを無視して歩くと、牢屋の前に着いた


「セレン、この牢屋の人達は?」

「魂を入れられる器になる人達ですね」

檻の中の人々が怯えた目でこちらを見てる


「犠牲になる寸前でしたがら間に合いました」

「助けますか?」

「助けるが、条件がある」


俺は今からすごく身勝手な事をする


「なんですか?」

「まず戻ろう」


檻の部屋に戻り、子供達の檻を壊し解放した

みんな出るのを怖がっているようだ

「もしかしたら君たちの親がいるかも知れないから着いておいで」


さっきの子供の一人が、また俺を刺して来た


「母さんを返せ」


俺は刺して来た子供と、殺した親の近くにいた子供の手を取り歩く


離そうともがいているが引きずる、泣き出したが気にしない


牢屋の前に来ると、中の人たちが騒ぎ出した


扉を開けてやると子供達が雪崩れ込むように親のとこに行き抱きしめられてるが、やはり子供がいなくなった人もいるようで項垂れてる


「身寄りの無い子供を成人になるまで2人ほど育てて欲しい。誰かいないか?」


檻の中から手を挙げる人が数人いたから


子供を引きずり、そいつらの前に投げ渡す


さっきまで殺そうとしてた相手にこんな事されたら怒るよな


「復讐したいならまず、力つけてと自分で判断しろ」

「生きる目標が無いならまず俺を恨め」


子供の目が俺を睨んでる。良い目だ。死んだ目じゃない。恨みがあるなら生きられる


背を向けて歩き出す

セレンが横に来た


「優しいですね」

「優しくない。俺のエゴだ」


セラスで見捨てた子供に、何もできなかった。だからここの子供には、何かを残したかった

それだけだ


まさに独善とはこの事だな


ポケットの笛を、何故か触っていた


更に奥に進むと、ダグスが最悪の奴なら最低の場所についた

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