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俺の呼び笛と君の呼び笛  作者: アルフレイム
闇に堕ちた魂
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60話、答えの無い死者との問答

「闇魔法、可視」


夕方になった森の中を二人で走る、あてがない


街はもう見えなくなっている、少し開けた場所に出ると自然と走るのが止まった


ミアも息が上がってる。俺も、限界だな


「休憩、しようか」


「うん、ちょっと疲れたね」

ミアが木に手をついて呼吸を整えてる

索敵魔法を使ったみたいだ、周りには何もいないようで首を縦に振った


「そうだな」


座れる場所を探して、大きな木の根元に布を引いて二人で座った。背中を木に預ける。お互いに息を整えながらもミアの呼吸が落ち着くころには夜になった。


焚き火を起こして、ミアが久しぶりにスープを作ってくれた

ミアが火を起こして、俺が小さな鍋を出す。もう手順は決まってる


澄んだスープを一口飲んだ


「うん、やっぱミアのスープ美味しい」


久しぶりに俺の美味しいを聞いたミアは左目が金色になりながらスープを一口飲む


「落ち着くね」

ミアが自分の味に満足したのか落ち着いた表情をしてる


しばらく、焚き火と葉っぱが風で鳴る音が続いてると


ミアが静寂を切った


「...ねぇ、私達正しいことをしたよね?」


ミアが器を膝の上に置いて、小さい声で聞いてきた。左目が青と銀の間で揺れてる


「あぁ、した」


僕を見捨てたのに?


頭の中に声が割り込む。

君をミアは多分気づいてないか、割り切ってるんだ


声を振り払う


「俺たちの居場所じゃなかっただけだよ」

俺は答えよりも当初の目的を喋った

今この問答に答えを急いで出す必要はないから



「そうよね、次はどこ行こうか?」

ミアが顔を上げた。前を向こうとしてるのかな


問題の棚上げか?

こういうのは、急いで答えを出す必要が無いだけだ。嫌な事があったからな


突拍子もない事を言うか


「いっその事、別大陸に行ってみる?」


「いいね、じゃあ船だね!」

思ったより乗り気になったミアの声が少し明るくなった。左目が銀色に戻った


「決まりだ、港町を目指そう!」


ミアがバッグから地図を取り出した、古いからもしかしたら前から持ってたのかも


「港町なら、近くだとブルーポートかな?」

セラスから北東にあるみたいだ、現在地はもしかしたら近いかも


「連絡船とかあったら乗るか」


「お金が足りたら良いね」


「足りなかったら荷物に紛れるか?」


「なにそれ、寝る場所ないじゃん」

ミアが呆れた顔をしてるが口角が上がってる

何言ってるんだよ、ミア

「寝る場所は、もう決まってるだろ?」


膝を叩いたら、ミアが脇の下から滑るように膝に頭を落とした


なんか、音符が出た気がした


「そうね、わがままを言うなら。腕枕も好き」


「ミアも気に入ったの?」


「うん、気に入った」


「けど膝も好き、おやすみ!」


そう言ったミアの身体が少し震えてるのが膝から伝わった

この震えは違う

キツかったんだろうな。あの罵倒が


気持ちが落ち着くように頭を撫でながらも考えてしまう


俺はあんな罵倒には慣れてる。小さい頃やクレストで散々言われてきたから別に大丈夫だ


でもミアは慣れてない。プライドの女王だったミアにとって、助けた相手に責められるのは初めてだろうし。


慣れてなければこんなに不安になる震えはしない


今は、俺がしっかりしないとな


しばらく頭を撫でてたら、ミアの震えが止まった。呼吸が穏やかになっていく


ミアが寝て、今の音はミアの寝息と焚き火の音だけが聞こえる。

上を見上げたら星が見える。すごく穏やかな夜のはずなのだが心は浮くようにざわつく


ねぇ、なんで僕を見殺したの?


言い訳はできない


幼い俺まで出てきた


何故、子供を助けなかった


ならさ、妊婦は助けなくて良かったのか?


頭の中の二人は答えられない。どちらを選んでも正解なんかないと思う


「ありがとう」


あの妊婦の言葉と、あの子供の目と姿は忘れない。


ミアにバレないように、目を瞑る


色々な言葉を振り切り、ミアと周りだけに集中しようとしたらまた声がする


また、一人で悩むのか?

あぁ、これは俺が片方を見捨てた話だから


ミアに余裕が出来たら話すよ


膝の上のミアの寝顔を見たいが顔は暗くてよくは見えない


後悔はないのか?


あの丁字路で左を選んだことを後悔はしない。それは妊婦さんに対する裏切りだからしない


後悔すればなら妊婦に私が死ねばよかったのかと言われてしまう自己矛盾が起きる


でも、子供に死ねと言った俺とも考えてしまう


ちゃんとした答えが、今すぐ出るとは思えない。でもいつか思えるようになるかもしれない


なぜ俺が無意識に妊婦を選んだかを考えなきゃな


焚き火が弾けた。火の粉が空に舞ってるな

闇に混ざって消えるのをみたり


クレストのメンバーの笑い顔を考えて一人で笑ったり

添木のエラーラさんに対するベイルさんの対応を思い出して笑ったり


「ミア、大好き」


起こさない声で言ったりしてたら、ミアの右手を見て気づいた


ミアの右手にいる闇のバングルが、まだ黒くない。白い


闇の剣を出したらショートブレイドと変わらない色をしていた


なぁ、闇の剣


これで、正しかったんだよな?


俺は、闇の剣を額に当てたが


答えはなかった

見直しが二桁を超えました

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