59話、絶望のプロローグ(ミアリス視点)
お願いです、私を殺してください
動かない身体、動けない身体
目の前に赤い、血に塗れたような剣を持った黒い鎧の騎士が立ってる
あの人は、私の願いを聞いてくれるはず
ダークナイトさん、私を殺してください
私は、罪人なんです
それでも、今でも思い出すくらい
アキの笑顔が大好き
アキの声が大好き
私が寝てる時に頭を撫でてくれるのが大好き
デリカシーのないところが大好き
私が作った物を美味しいって言ってくれるのが大好き
私の前でだけ、弱くなってくれるのが大好き
私のして欲しい事以上のことをしてくれるのが大好き
私は彼に一生を求めてると言って彼の恋人になれた
私は、みんなの前で恋人宣言をするぐらい大好き
でも、全部私の手で壊した
だって私はその大好きな人を
この手で、ショートブレイドで刺し
この手で、大好きな人を焼き
この手で、繋がりの笛を捨て
この口で、彼の言葉を拒絶し
この足で、崖に蹴り落とし
この足は、彼を探そうともしなかった
全部見てた。全部覚えてる。
刺した感覚と燃やした悲鳴と、崖から落ちる姿が目の後ろにこびりついている
止めたかった。叫びたかった。
言い訳はできないし、彼から見たら私がした事だ
黒い鎧の騎士が赤い剣と闇の剣を持ってこちらに来た
右手のバングルが震えてる、何故震えてるの?
奥で倒れた身体が霧散していく
ダークナイトさんと戦って、死体となった身体
ダークナイトさんは私を殺す気は無いみたいのね、私の前に来て動かなくなった
アキに伝えたい、けど必ず死んでるから伝わらない
私なんかを好きでいてくれてありがとうって
大好きだったって、伝えたい
さようなら、アキが死んでる世界に意味はないから
これは逃げでも、いい
私が死んだら。私の事を怒ってくれるかな?
許してくれるかな、2度と会えないかもしれないし
私は拒絶されるのはわかってるから
私はあの人を刺したショートブレイドを首に向ける
ここはお似合いの場所だ、誰も来ない洞窟
もう、全てを失ったから私は私を要らない
あぁ、でも
アキの笑った声、顔を見たい。
なんて、私って奴はこんなに




