58話、恋人(強制)と、強い力の代償
「ミア、終わったね」
「うん、やったよ...」
ミアが俺の顔を見たら涙を流しだした、横でベイルさん達も喜びを分かち合う
「ミアリス、ありがとう」
「ええ、当然の事をしただけよ」
近寄ってきたアルドリックさんの言葉にミアが堂々と胸を張って言った、ミアも過去と向き合ったんだろうな
「それで、ミアリス。隣の人は?」
盾を持った騎士が聞いてきたが傷だらけだ
「ガレス、シリスに回復してもらえ」
「はい、すぐ戻ります」
アルドリックさんの指示でシリスと呼ばれた少年が盾を持ったガレスさんを回復し出した
「わ、私の」
腕にミアが抱きついてきた!?
「私の恋人です!!」
ミア!?声がでかいよ!?
セドリック以外のみんなが固まったじゃないか!
「はい、恋人の元クレストだったアーキです」
俺も堂々と固まったセドリックさん達に自己紹介したらみんなが笑い出した。嫌な笑いじゃない
「だいぶ、変わったね」
「うん、ミアリスさんがそんな顔をするなんて思わなかった」
笑いながらクリムオースのメンバーがミアの変わった姿を喜んでる
「可愛くなったね」
「エラーラ!?何言ってるの!?」
「ミアはもっと可愛いとこありますよ。毎日可愛さを増しています」
「アキも何言ってるの!」
ドスンッ!
痛い、本当の事を言っただけじゃないか!
左目が金色になりながも顔が真っ赤になったミアが俺をもう一回叩いた後
また空に手を振り出した、闇の精霊にまで言われたか
「アーキも変わりましたね」
「だろ、言っても二人は信じてなかったもんな」
イオナとセドリックのやり取りにニラがこっちを指さした
「当たり前じゃん!あのアーキが!」
「こんなに異性に惚れ込むなんて思わないじゃん!」
「うるせー!」
ニラの叫びに俺が叫ぶ、シータさんは少し離れて我関せずを貫いてるようだ
ところで何故ミア、ニヤッとした?いや、これ
何故だ、何故背後にセレンさんのような笑い方をしたミア!?
「大好き、アキは?」
いきなり爆弾を落としたミア
周りを見たら全員また固まって
いやこれ多分、俺待ちだな!?
「だ、だ」
口籠る俺にニヤニヤしてるな、ミア!?
「ほら、早く」
あ、これわかった。さっきの復讐だ
そっちがその気ならわかった
「大好きだよ」
ちゅ
ソフトキスをしてやったぜ、ミアが固まった
周りはおぉー、言ってる。
やらかした、この空気の中心の俺
逃げたい
「そこまでしろと言ってない!」
すっごいバシバシ叩かれてる、ちょっと
左目はずっと金色なのに痛い、全力に近くない!?
みんな、俺たちが本当に変わった事に安心した顔をしてる
少しして気づいた
エラーラさんが、モジモジしてる?
「ミアリスさん!」
ミアを呼んだ?
「エラーラ、何?」
ベイルさんを指さしている?
「あの、あの人、誰ですか?」
エラーラさん、何故ベイルさんの事を聞いた?
「ベイルさんですけど」
ミアが答えると、エラーラがミアの手を掴んだ
「あの人独り身!?」
俺たちがベイルさんの言葉を思い出したら独身しかありえない言葉いってたな
「うん、多分そうだよ」
「わかった、ついてきて!」
「え、ちょ、ちょっと」
エラーラさんがミアを引っ張り、ベイルさんの前に走っていった。ベイルさんがいきなり前に来られて困惑してる顔をしてる
「初めまして!ミアリスの友人のエラーラです!突然ですみません。1番自信がある筋肉のポーズをお願いします」
「え、お、おう!?」
思いっきり腰を曲げ、両手を頭の後ろに乗せて腹筋を見せるポーズをした瞬間
エラーラさんが見せちゃいけない顔になった!?
「ベイルさんのパーティ名は?」
「ディープウッド所属の初心者育成チームの添木、俺がリーダーだ」
「回復術師はいますか?」
「いや、居ないが」
「なら、私が添木に入ったら丸く治ると思いません?」
「えっ?」
「私、怪我を治すのも好きなんですが。一番好きなのは筋肉痛や筋肉を治す時なんです」
「こんないい筋肉、私は逃したくないんです」
エラーラさん、舌舐めずりをした...?
「アーキ殿!ミアリス殿!?これはどういうことか説明してくれ!?」
大丈夫だ、みんな意味がわからなくて混乱してる
「エラーラの好みは、スキンヘッドでムキムキの筋肉の人が大好きなんだ」
ガレスさんが頭を抱えてる
「アルドリックさん、そういうわけでクリムオースを抜けますね」
エラーラさん!?そんなに軽く!?
「わかった、引き留めない。というか引き留めたら一生恨まれそうだ」
アルドリックさん、頭を抱えてるな
「あら、よくわかってらっしゃる」
「たしかに、見た目だけみたら俺もエラーラ殿は満点だぞ」
あ、ベイルさん...自ら地雷踏んだな!
「あら嬉しい、ならキスを...」
「まてまてまて!早すぎる!」
思わず笑ってしまった、それはそうなるよ。
よかったなベイルさん、恋人(強制)ができたね
民間人も大歓声で俺たちを見てくれている
だが、歓喜も束の間だった
地面が揺れた。城壁の向こうから、黒い波のようなものが押し寄せてくる
「スタンピード!第二波!」
伝令の声が街中に響く。さっきより数が多い。桁違いだ
「これは、、不味いな」
顔が青ざめてる。騎士団以外の兵士達の足が止まる。戦うか、逃げるか。
どちらを選んでも地獄、大型の魔物しかいない
その時、北の空に白い光が見えた
「あれは、、」
城壁の上からこちらを見る白い法衣の女性。小柄だが、纏う空気が桁違いなのがわかる
見た瞬間に闇の剣が震えた。バングルも同時に震えてる。でもあの時の嫌な感じとは違う。呼応してる
?
「ミア、あれがノルクスさんかな?」
「かもしれない、セレンさんの言葉よね?」
「たしか、闇の剣と闇のバングルを上に上げろ?だっけ」
「確かそう、やってみましょう」
俺は闇の剣を抜いて、ミアはバングルを上に掲げた
ノルクスが両手をこちらに向けた。指から出た光が闇の剣とバングルに降り注ぐ
剣が、変わっていく。闇の黒が白銀に染まる。バングルも同じように輝きを増していく
白い光を放つ剣とバングルになった
「闇の精霊から、今の状態で敵に薙ぎ払えば遠距離でも全滅させられるって!」
「お、おい、何をするんだ?」
「みんなを助けれるかもしれない!」
ベイルさんの言葉にミアがテンションを上げながら、走る
「だから行ってくる!」
俺たちはキルゾーン入り口まで走った
門から出たら、光の剣を構えミアがバングルの着いた右手を構えて薙ぎ払う用意ができた
「一緒にするのが良いみたい」
「わかった、合図はミアに」
「うん、いくよ!せーのっ!」
一緒に薙ぎ払うモーションをしたら白銀の一閃、いや、衝撃波
俺たちから扇状に広がっていく。魔物の群れに光が直撃する。
触れた魔物が光に包まれて消えていき、波のように光が群れを飲み込む
光が広がり、全ての闇を飲み。緑の大地と森しか見えなくなった
地鳴りは、止まった
「ミア、予言はこの事だったんだね」
「だね、私たち今度こそやった!」
ハイタッチをして門に戻ったら
街中から歓声が爆発した。兵士が泣いてる。冒険者が抱き合ってる。住民が窓から手を振ってる
だが
「なぜだ!なぜ今まであれを使わなかった!」
歓声の中から、怒りの声が上がった
「あれがあれば最初から被害は出なかったはずだ!」
「俺の仲間は死んだんだぞ!」
「あいつらのせいで死ななくてよかった命があったんじゃないのか!」
声が増えていく。歓喜が怒りに変わり始めてる
俺とミアは顔を見合わせた。ミアの左目が青くなって驚いてる
頑張っても、やっぱりこれかよ!
闇の武器をいうわけにもいかない、くそっ
俺たちにも理解できないものを説明できるか!
「逃げよう」
「うん、そうしよう」
俺たちは光の剣と光るバングルを隠して、外に出た
「闇魔法、不可視」
ミアの声と同時に姿が消える。手を繋いで走る
振り返らずに走った。今思ってもできることをしたが、俺達は弁明できる説明ができない
セラスの城壁が小さくなっていく。背後から歓声と怒声が混ざった音が聞こえてる
「ミア、大丈夫か?」
「大丈夫、走れる」
ミアの手を握る力が強くなった。俺も握り返す
どこに行くかは決めてない。わかったのは
ここは俺たちの居場所じゃないし
俺に取り返しがつかない事をさせた場所だ
セラス編、終わりですがエピローグがあります




