90話、決着、だが終わりではなく
「ふむ、感情の魔法使いが付けた輪廻のバングルの変化か。逃げた方が良いな」
「闇魔法、霧散」
奴が詠唱をした、霧散は移動魔法!
逃げられる!
...何も起きない?
奴も、何も起きなくて不思議がっている
「霧散が使えないだと?」
ミアが少し、笑うような声を出した
これは、笑うと言うよりまるで勝ち筋がわかった声だ
「ずっと考えていたの、闇魔法ってなんだろうなって」
「さっき、あなたの同調でわかったの」
「闇魔法対闇魔法は、0か100の引っ張り合い、さっきは私が負けて闇魔法が殆ど封じられたけど」
「さっきは苦しい思いをしたけど...今は」
「あなたは強い力を持つ闇魔法を使えない」
ミアの言葉に初めて苦虫を噛むようにしかめた奴は出口に向かって走り出した!
「覚悟の闇魔法、蒼炎の円舞」
横に立ったミアのダブルキャスティングロッドの左右の宝石が黒と赤で染まり、蒼い炎が地面をはしった
炎は出口まで向かい、出口で燃え盛っている
敵の退路を塞いだ
「ぐっ...」
敵は、かなり焦ってるみたいで剣を構えてこちらに突っ込んできた。ミアは、見越してか詠唱を始めた
「喜びと愛の闇魔法、私の騎士」
体が、相当軽くなった!?
これは...重さを感じない
冷静になれ
覚悟の剣、あいつを斬りたい
-わかった、斬る覚悟はあるか?-
あるに決まってるだろ、あいつは
ミアを道具として見たからな、奴に突っ込む!
なっ!?10歩以上走る距離を3歩で届いた!?
4歩目で剣が間に合わず飛び蹴りをしたら奴の胸に足が入り、吹き飛ばした
奴は受け身を取ったが想定外だったみたいで冷静な顔は無かった
「貴様、急に動きが!」
「当たり前だ!ミアの前でもうカッコ悪い所を見せたくないからな!」
同じ速度で奴に斬りかかると右手の剣流そうとで防いだが剣は真っ二つに抵抗もなく裂いた
それを見越してか、奴は左手の裾から何かを出した
左手に隠しナイフ!?マズイ、この位置は避けれない
「怒りの闇魔法、焔」
俺を避けるように通り過ぎ、敵の左手に蒼い炎が当たると急に敵は下がった
苦悶の顔をして左手を握った姿は激痛のようで、左手でもっていたナイフで左手を切り落とした
炎がついた左手は、燃え尽きた。威力が高すぎる
「その魔法はなんだ!見た事がないぞ!」
「当たり前じゃない」
「ずっと、感情で闇魔法を使えるか考えてて」
「今、できると確信して試したら作れた」
「ふざけるなぁぁ!」
「怒りの闇魔法、地を走るネズミ」
突っ込んでくる奴に、構えていたら
青い炎が足元から一直線に敵の左足に向かい
右足を焼いた
奴は左足を切ろうとしたが
俺は、隙を逃さない!
何故か、セドリックの戦い方を思い出した
奴に剣を向け、セドリックの姿をイメージ
脚に力を溜めて
セドリック、技を借りる。飛べ!
身体が飛ぶ、奴目掛けて
奴は気づいた、だがな!
今の俺の速さは、お前の意識の外だ!
「ぐっ!」
奴の短い悲鳴と共に剣が刺さると、奴の身体は傘のように折れ曲がり抵抗出来ないようだ
脚に地面が触れた瞬間、勢いを殺したら
奴は勢いそのまま剣から抜けて吹き飛んだ
倒せた...?
ドクンッ!
ぐっ、胸が!心臓が痛い!暴れるように血管が騒ぎ立てる
なんだ、急に意識が
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跪き、兵士に固定された俺の前に闇の長が審判を下した
「貴様を輪廻送りとする」
「何故ですか!?闇の長よ!」
厳格な長が俺に審判を下してくるがふざけるな
「其方は、一般人を殺し過ぎた」
「ふざけるな!一般人を殺さなければ魔物にもっと一般人が犠牲に!」
事情も知らない老人が!貴様の価値観で俺を裁くな!
「遺族の前で言えぬ卑怯者は闇の郷の戦士ではない」
「闇の戦士よ、崖に行きの奴を輪廻送りにして来い」
「はっ!」
兵士に引き摺られていく、くそっ!まだ言いたい事が!
「まだ話は!ふざけるな!」
「すまぬな、輪廻で会おう」
無常にも扉は閉められ、拘束されながら戦士二人と裏の崖にむかった
「なにか言い残すことは?」
「もう、どうでも良い」
目隠しされた俺には何も見えない、諦めの境地に来たのか
肉の、切れる音?
「あぐっ!」
「なにや...」
「喉を切られたら、喋れませんよね」
誰かに拘束具が外された、純白の鎧を着た騎士が兵士二人を殺していた
「どうでも良いなら、俺に力を貸してくれないか?」
「俺は、闇の郷も壊したいんだ」
差し出された手に、思わず跪き忠誠を誓いたくなった
「救われた命、貴方様に尽くします。貴方様の名前は?」
行くあても、無いしな
「俺はアヴェン、ただの愛した人を取り戻したい者さ」
「私の名前は...」
これが、俺の生きる意味
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急に視界が、洞窟に戻った
なんだ今の感覚、まるで体験したかのような
まさか、こいつの記憶か?
奴は死んだみたいで、光の無い目を見開いたまま死んでいるのがわかる
まずい、倒れそうになった。だがなんとか剣で身体を支えたら
後ろからミアの走ってくる音が聞こえる
「アキ!」
共視もなくなったから右側が見えないがミアが左側に来てくれた
ミアは泣きそうになりながらも我慢していた、傷は、無さそうだ
「ミア、大丈夫か?」
心臓がまだ痛い、耐えろ
「私は大丈夫だけどアキは!?」
「大丈夫、ただの幻肢痛だ」
「アキリスの影響ね」
剣を見てるミアに、説明しなきゃな
「あぁ、覚悟の剣と言ってなんでも切れるが切った箇所が幻肢痛で帰ってくる剣だよ」
「全く、もう...」
それを聞いたミアが呆れたような笑いをしつつも回復の魔法をかけてくれた、気持ちいいな。全身の痛みがなくなった
「その剣で切って痛くなったら私が癒してあげるから」
「全く、一人じゃ使えない剣なんて俺らしいな」
「本当にね、私がいなきゃダメなんだから」
左目が金色になったミアが、微笑んでくれている。微笑み返したらミアが寄り添ってくれた
「ミア、外に出よう」
「うん、そうしよう」
「出たらその魔法について教えてな?」
「わかった」
ミアにこれは言わないといけない、奴は。
「後、大事な話がある」
「奴は、師匠じゃない」
まだ、終わっていない




