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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
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61/205

仮題『最高の一日』/『抵抗』/『現在地』

ものは考えようだよ。

とりあえず君は寝るべきだけど、ね。

仮題『最高の一日』


腹の中で 汚濁が波打つ

踏み潰した鼠の呪詛が

顔中をひどく爛れさせた


母の三回忌に 穴を掘る仕事

自分の墓穴を掘る仕事

降ってきたのは 拳の礫


それでも 鼓動が鳴り止まぬのなら

きっと 望むべくもないのだろう



仮題『抵抗』


足にまとわりつくのは やめてくれ

荷物を負うほどに 曲がる背に

ほとほと 嫌気が差しているんだ


好きなものの内側は腐っていて

嫌いなものは称賛されて

居場所は 白蟻の餌になった


こうして 目を背けて歩むことが

唯一の 抗う術なのだ



仮題『現在地』


夢見ていた近未来はない

空飛ぶ車も 人型ロボットも

あるのは 現在と陸続きの

絶望混じりの 狭い入り江だ


けれど そんな現実すらも

ひと瞬きで 過去になってしまうのだ

だから いつか辿り着けるその場所を

目指して見上げた 今のきみ


どんまい、どんまい。

次行ってみようか。

いらないのなら、あげないよ。

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