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仮題『哀シテル』/『書く』/『月の歌』
受信中、受信中。
あなたの遺言、受信中。
仮題『哀シテル』
行く末が灰なら 肉はいらず
ぼやけた思考で 与太話
タータンチェックの背中が燃えては
脳漿を蒸発させるのです
意味を亡くした言葉の列も
あなたへの 弔いの葬列で
明日の人工衛星が沈むよりも早く
大西洋を干上がらせましょう
仮題『書く』
インクは 灰色の血液
筆は 髄の減った指先
爪の間から滲んだ後悔を
一筋 横一文字に結ぶのだ
臓腑が湧くたび 息をして
吹かれた吐息が 色を差し
狂ってしまいそうなほどに淡く
背骨に沿って 刃を入れた
どうぞ ご覧くださいまし
仮題『月の歌』
アン ドゥ アン ドゥ
鏡よ鏡 お日様の姿見
行きては帰らぬ 背中を映せ
彼岸に微睡む 旅人映せ
アン ドゥ アン ドゥ
鏡よ鏡 照らすは銀色
同じ顔だけ見せておくれ
滞らずとも 泣かぬよう
朝が来たなら 左様なら
薄靄の空に 左様なら
よく吼える羊さんだね。
どれ、剥いでみようか。
月が綺麗だね。
別れの日にはぴったりだ。




