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仮題『否定』/『黒点』/『優しい君』
私は誰も否定しないよ。
誰ひとり受け入れもしないけど。
仮題『否定』
沢山の文字を貼り付けて
膨らんだ財布を懐に
それが 本当に君の欲しい物なら
わたしは 最大の侮蔑を贈ろう
虚飾に塗れてしまったきみは
もはや かつての輝きもなく
背景の 有象無象のひとりとなって
わたしの人生から透過していくことだろう
仮題『黒点』
もう 赦してください
火を着けられた羊たちの声が
わたしの頭の中のカンバスを這っては
シナプスを断ち切り続けるのです
たった一度 覗き込むこともできない
網膜の裂けた孔を見つめただけなのに
煌煌と輝く 空の極点に
憧れを炙ろうとしただけなのに
仮題『優しい君』
オートクチュールの刺繍が
レースの波に揺れていた
恵まれものと呼ばれたあなたは
それでも地を割り 咲いていた
瑞々しさを失ってしまった葉脈に
誰かから呑んだ血を巡らせて
踏み潰されてしまう その時まで
微塵も花弁の色を 変えなかった
つまらないね、あなた。
それじゃ焼かれて当然だよ。
そろそろ起きなよ、轢かれちゃうよ。




