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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
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56/205

仮題『一番星』/『美しい世界』/『非常識』

死んでも星にはなれないよ。

どう見るか、だよ。

仮題『一番星』


二番目では 意味がなかった

あの 真っ黒なカーテンの中で

おかあさんに見てもらうためには

いっとう 早く輝かなきゃ


腕も 脚も 余計なものは捨てて

まるで 放たれた矢のように

この速度ですら 百年はかかるから

どうかそれまで 息災に



仮題『美しい世界』


幹に縫い付けられた顔が笑っていた

臓物の実る木々の合間を

嫋やかな きみが歩いていく


骨格の鳥は 羽ばたくこともできず

汚物の川で 魚が死んでいた

空からの光に 皮膚は爛れていく


それでも きみがいてくれたのなら

それはきっと 愛すべき景色なのだ



仮題『非常識』


型破りだの ルール無視だの

結局 悪いことに変わりはないんだろ

褪せて錆び付いた舞台の上で

誰かに決められた 法の鎖


ぶち破って進んでいけるよう

誰かの決めた 当たり前を壊していけ

破片の降り注ぐ 花道を征く

その背中は誰にも縛れないだろう


いいじゃん、ルール無用。

暴れなよ、お巡りさんが来るまで、さ。

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