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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
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37/205

仮題『ひとりのチカラ』/『角砂糖』

たかが知れてるね、ホント。

仮題『ひとりのチカラ』


自惚れるなよ ロンリースター

君はあくまで 歯車のひとつ

噛み合いの中で回るだけで

唯一では部品にすらなれやしない


少年よ 構成要素であることを認めよ

少年よ 代替可能であることを認めよ

社会という機構は 凡百の積み重ね

ミクロが集いて マクロとなるのだ



仮題『角砂糖』


溶けるだなんて 言ってないよ

溶かしたのは きみ自身だろう

悪意の溶媒は 生温かく

まるで 穢れた吐精(とせい)の末のようだ


あまりに脆い その心すら

甘く固めて 挫けぬというのなら

ウェルギリウスの導きのまま

(てら)いを嫌い 歩もうじゃないか

会えなくなる前に、会っときなよ。

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