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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
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36/205

仮題『たまには』/『雲』

私じゃなくて、彼が喋るのもたまには、ね。

仮題『たまには』


おいおい 笑わせんなよ

そのセコい心拍が止まるときまで

お前は聖人君子でいるつもりか?


今際の瞬間に冷静な奴なんて

それこそ 螺子が外れてる

綺麗事を並べられるのは

お前がまだまだ 恵まれてるからだ


立ち止まって 己を省みて

これまでの人生を悔いる時間だって

あってもいいんじゃねえのかよ?


仮題『雲』


地面に縛られた私たちは

あんなに自由に揺蕩えたらと

見上げた空に 目を潤ませては

腐った両足 骨が覗く


なりたいものがあったのだと

蝋の翼は とうに(とろ)けて

落下したときにできた挫傷(ざしょう)

舌でなぞって 慰めるんだ

憧れなんて、千切れ飛んで、さ

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