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仮題『言葉と共に』/『爪』
きみだけのものだから、大切に、ね。
仮題『言葉と共に』
音の連なり 意味の波
発することでしか心を描けず
やがて 耕した脳に植えられた種が
ひとつ ひとつと 顔を出す
あなたの五体の画用紙に
置かれた色は どれもが生きていて
命に寄り添うように紡がれては
道行きを彩るでしょう
仮題『爪』
なあ もう辞めちまえよ
痛みに耐えるのは辛いだろう?
鮮やかだから剥がしてるんだ
浅はかな思いなどその程度で
削剥の辛苦の前に褪せてしまう
いい加減認めてくれよ
まだ 残ってるよな
新月が来る前には 立ち止まれよ
頼むぜ 相棒
真似事はやめときなよ。