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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
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24/205

仮題『Parallax』/『炭酸』/『今日』

それは傲慢なんじゃない?


爽快、だよね?

仮題『Parallax』


きみとわたしは 違う生き物

ぷつりと途切れた 双方向

おんなじ赤に焼かれることも

今生では叶いそうにない


イデアが死んで 塔が崩れて

自由という名の懲役を受けて

見下ろしてくれているのが

同じ天体であったのなら



仮題『炭酸』


消えない蝉の声が ジワジワと

喉の奥に 痛みを残す

ただひとときの泡のように

カラリと 硝子の音がする


冷たい水を泳ぐ記憶を

救う網すら 忘れ物

懐古風味の喉越しに

きみは はじけて きえていった



仮題『今日』


わたしたちは 過去にしかならない

未来は未だに遠く 非実在

現在は絶えず色褪せていく

風化し 朧化(ろうか)し さようなら


二度はないと 口にはすれど

焼き直しのように続いてしまうから

生まれてから死に続けるきみたちが

どうか 後悔のないように


明日にとって、今日は昨日なんだよ。

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