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仮題『さらば、向日葵』/『忘れ物の傘』/『傷だらけの翅で離陸する』
何も知らないんだね。
それとも、知らないふり?
土塊の塔を登るんだ。
仮題『さらば、向日葵』
型に嵌めて育てたんだ
真っ直ぐ伸びて欲しいから
水をたっぷりあげたんだ
早く収穫したいから
根腐れを起こした君は
土の底までを殺しきって
恥を恥とも思えないままで
首輪に吊られて枯れていった
仮題『忘れ物の傘』
雨が止んだ 止んだ 傘を捨てた
煌めきの中に身を投げだした
いくつも貫いた水の粒が
痛いとすらも思えないまま
麻痺ではない 逃避でもない
けれど 見つめていたわけでもない
最長の距離で結んだ線分を
近道と呼んで 譲らないんだ
仮題『傷だらけの翅で離陸する』
瞬間最大風速を待って
全身にその風を受けて
飛び立つ瞬間を狙っているんだ
もうどうにもならない
大嫌いな しがらみを蹴飛ばして
瞬間最高声音を張って
喉の奥を切り裂いて
それでも をいくつも重ねるんだ
ほら、今だよ。
今でないと、腐るばかりだ。




