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仮題『落葉樹の唄』/『蛆の湧いた盛夏』/『蝉時雨』
それとも何?
自分は人間だとでも?
仮題『落葉樹の唄』
頭の中の消しゴムを
二つに割ってしまおうか
あなたのことを覚えているのに
私の余白は足りないから
胸を叩く感覚を 静かな寝息を
早まる鼓動も 血の匂いも
何もかも詰め込めたのならば
この先の先年も 耐えられるのだ
仮題『蛆の湧いた盛夏』
爆声音 通り魔のように
夏が過ぎていった 君が死んだ
アスファルトの匂いが染み付いた
ここはどこだろう?
位相の違う笑みを重ねよう
刻んでしまえば忘れないから
繰り返し記号を嫌わぬように
膿んで 膿んで 産まれないで
仮題『蝉時雨』
どこへ行っても聞こえてくるのは
命の声なのだと 最期の声なのだと
理解の追いつかない頭は茹だり
息もできなくなってしまう
叫べよ 夏が終わるその時まで
季節の死骸を抱えた僕ら
透けた翅で逃げられず
くたばろうぜ ふたりきり
死なないで、なんて、言わなくていいでしょ?
暑いかな?
夏を忘れないようにね。




